・イローダは深く朗々とした声を持ち、その声は深い物悲しさに満ちている。彼らが歌う時、聴衆は即座に静かになり、涙ぐんで聴き入る。全てのイローダは自然な優美さで動く。彼らの足どりは静かなダンスのようだが、稀に追いつめられた時などバランスを崩すことがある。彼らのこういった一連の流れるような動作は、その内深く在る自覚、すなわちシェイプチェンジャーであることに起因している。数年の修練を経て、彼らは随意に背丈を(2′上下に)、あるいは外見を(各種の人間、デミヒューマン、ヒューマノイド)変化させることができる。各イローダは実際に多くの顔を有しているが、その中でも典型的に完璧に使用できる姿は、2〜3だけである。彼らの寿命は500年を超える。(5d10+550)
・イローダのいとこ達である他のオグルは、イローダの美しさを共有しない。イビルのオグルは、身長9′、灰色のいぼのある肌を持ち、腰布とぼろきれを身につけ、顔は獣的で邪悪、そして悪賢くて残酷である。ジャイアントオグルは身長24′もあり、ひざをついてさえも他のオグルの顔の上を超える大きさである。彼らは牙状の歯がその大きな口から突き出しており、一般に普通のオグルよりスマートである。オグルメイジは約10′、やせた体型と残忍ないとこ同様の容貌を持つが、全体的によりスマートである。最後にハーフオグルであるが、これはオグルと人間のとの交配種であり、外見は人間に似て、洞窟と棍棒の時代に戻ったような姿をしている。イローダも含め全てのオグルは尖った耳を持つ。
<性格>
・イローダは自分達がどこへ行っても歓迎されないため、世界の表舞台から撤退した。が、彼らはクリンの現種族に対し、悪意を全く抱いていない。彼らは人間とデミヒューマンをもろく気紛れ、そしてはかない民族とみなしており、彼らの感情に捕らわれたら絶望的と考えている。
・現在のイローダの殆どは大変動を記憶しておりそれを教訓としているが、現在の人間とデミヒューマンの殆どは大変動後の2世紀を過ぎるまで、産まれてさえいなかった。無理からぬことかもしれないが、現在の世界は自分達と相容れぬ民族達に属していると、イローダは信じている。しかしイローダがクリンの現種族の中にその姿を現した場合、豊富な種類と精神的性質を持つ様々な人々がいるにも関わらず、しばしば驚異の対象となる。
・イローダはクリンの他種族に対し何ら悪意を持っていないが、感情的な交流はない。人間達はいまだに邪悪で耐え難いオグルの物語を話す。これらの物語に登場するオグルは、邪悪で堕落した現代のオグルをさえ上回る存在として描写されている。デミヒューマンはイローダを憎む。なぜなら彼らがオグルの血を有するからである。他のオグルはイローダを憎む。なぜなら彼らは悪の性質に反するからである。その他の各種族はイローダを疑う。そのシェイプチャンジ能力のために、イローダについての伝説では、彼らは「子供さらい」とされている。子供の両親の姿に変身し子供を丸呑みにするため、そのシェイプチェンジ能力を身につけたのだと語られている。その話があまりにも馬鹿げているのは明白であるにも関わらず、人間とデミヒューマンの精神に内にあるイローダへのイメージを軽減することは出来なかった。一部の人間は、イローダの出現を2度目の大変動の予兆であると主張した。
・明白に、イローダのシェイプチェンジ能力は、敵対的な種族の多いアンサロン大陸の中で役に立つ。しかし、この能力を持っていてさえ、イローダは恐れ、用心する。イローダは全く、一般に伝えられている世評に値しない種族である。親類のイビルオグルと異なり、彼らはグッドの道を選んだ。(彼らのアラインメントはN〜Lg)イビルの神が彼らの創造に後援したため、イローダは彼らの内なる悪の名残と戦っている。他種族は彼らのこの内なる戦いをしばしば、尊大又は反目と解釈する。それは事実と反しており、実際はイローダは平和を愛する紳士的種族である。彼らは戦闘から退却し、不愉快な他者を避ける。
<歴史>
・エルフのバードは、クリンで最初に目覚めたのはエルフであると語っている。しかしこれは誤りで、最初に目覚めたのはオグルである。彼らは世界の最初の夜明けの中で呼吸し、その最初の光を浴びた。地面から最初に立ち上がり、オグルは創造の主となった。そして彼らは美しかった。イローダナイアス「Irdanaiath」と呼ばれるイローダにのみ知られている秘密の本では、以下の如く創造の真実を伝えている。神がクリンを創った時、自身のイメージを象った生物を作ったグッドの神はエルフを作り善を教えた。ニュートラルの神は獣を作り、彼らに中立を教えた。イビルの神はオグル〜とても美しく力強い生物〜を作り、悪を教えた。4番目のタイプの生物はマラン(Maran)と呼ばれる人間で、上記のアラインメントのどれにも属さないものであり、至高神が星からそれらを形作り、そして自由意思を与えた。
・オグルは最初に立ち上がった。彼らはその目から終わりなき眠りの砂を拭い去り、大陸に広がっていった。彼らは自分達の住みかに山岳地帯の高地を選んだ。その中でも非常に高い場所に彼らの君主は居ついた。そこからは地を見渡すことができた。オグルはこうして創造主となった。2番目にエルフが目覚めた。彼らは森の中に生活することを選んだ。彼らは細く高く、立派な木に似ている。彼らはシルヴァネスティとなった。3番目に動物が目覚め、世界中に広がっていった。彼らは各地の生物となった。最後にマランが眠りから覚め、最良の地の全てを得た。彼らはどんな場所にも住みついた。不毛の荒野、険しい山々、凍った氷河、見捨てられた砂漠、そして海にまで生活圏を広げた。彼らはバーバリアンとなった。
・イビルオグルは圧制の国土を創設した。厳格なその地の法は、彼らの王に富と権力をもたらした。彼らは非従順を死で罰し、民に対し完全なる支配を得た。次に王は他の場所を支配するための寵臣を追い求めた。エルフの善の性質は、支配という行為にあまりに反することが証明された。動物はあまりに野性的で愚かなため、支配の意味を学ぶこともできなかった。マラン(人間)は寿命も短く、あまり賢くもなかったが、優れた奴隷に出来た。これを知ったオグルはバーバリアンヒューマンを狩りたて、広いネットで捕らえた。人間はオグルの鉱山に奴隷として連れていかれた。
・あさましく弱い人間であったが、彼らは1つだけオグルに優るものを持っていた。自由意思である。ある日、鉱山が崩れ、多くの奴隷が死に、そしてオグルの王イグレインの美しき娘、エバーリンが中に閉じ込められてしまった。イグレインは彼の所有物をこれ以上失うことを心配して、奴隷達に洞窟から出るように命じた。しかし、イーダムという名の1人の奴隷は出てくることを拒み、他の奴隷を率いてイグレインの娘を救出した。イーダムがエバーリンと共に外へ出てきた時、イグレインは法により、彼への不服従に対して、イーダムを処罰せねばならぬことを知った。しかしイグレインはこの奴隷の選択に称賛し、自由意思というものをその日、学んだ。彼らはイーダムへの即座の死を宣告する代わりに自身に対し、「私の気紛れなる心は死んだ」として、法を満足させた。こうしてイーダムは生き続けることが出来、イグレインは決して死刑の執行をしなかった。
・イーダムはイグレインの執行猶予に感謝し、奴隷達をまとめて、鉱山での採掘量を2倍に増やし、イグレインに捧げた。やがてイグレインは、その地方で最も富裕で最も強力なオグルとなった。彼は奴隷に対し、さらなる自由を与え、採掘量はさらに倍増した。しかしこの自由への愛は奴隷階級の人間に急速に広がり、国中にわたって反乱が起こるまでになった。これを見た他のオグル達は、イグレインの寛大さを危険視するようになった。「イグレインの異端」と彼らは呼び、彼の意志薄弱さはオグルの国家に破壊と衰退をもたらすものであると非難した。イグレインは最高評議会の前に弁明を行ったが、君主達は彼に狂人のレッテルをはった。イグレインはかろうじて脱出し、都市を解放する前に全ての奴隷の鎖を壊し、彼らに自由の身となったことを告げた。また彼は、自分と同じく寛大な視野を持つ友人や家族にもそうするよう努めた。
・イーダムは奴隷の反乱を指揮し、オグル軍を殺した。これがオグル戦争であり、また、夢の時代の始まりでもあった。イーダムは荒野において彼の民を率い、6年間にわたってオグル文明を悩ませた。ついにオグルは張本人を捕らえた。彼らはイーダムの腱を切り、6日間、彼を引き回した。これは彼がオグル軍を悩ませた1年を1日に換算したものである。そして群衆が殺到したコロシアムの前で、オグルはイーダムを引っ張り出し、四つ裂きにした。その時集っていた群衆は全て奴隷達であった。彼らはイーダムの死を目の当たりにし、それをさらなる反乱に対する警告であるとうけとめた。しかし奴隷達は、その警告を無視し、反乱を企て、コロシアム内の全てのオグルを皆殺しにした。
・同じころ、イグレインとその従者達は安全に逃げおおせた。彼らはアンサロンの北にある孤島に辿り着き、そこを新たな故国とした。やがて、あとに残ったイビルのオグルは、奇形化しおぞましい容貌になり、その精神の腐敗に相応しい姿と成り果てた。彼らの優れた知性と魅力も消失した。彼らは愚かな野獣と化し、痕跡的に残った狡猾さだけが、彼らの以前の力を証明できる唯一のものとなった。
・イグレインの民は自分達をイローダと呼んだ。彼らは世界から隠れ続けた。イビルオグルはこの裏切り者の兄弟を捜すことを決して諦めなかった。タキシスは信奉者であるオグルの背信に激怒しイローダを捜し求めた。イグレインによって自由の身となった人間でさえ、彼が解放運動において果たした役割を忘れてしまった。人間は独力で反乱を企てたのだとして、イローダには圧制者の役を与えた。この世界で友もなく希望もないことを知ったイローダは、自分達の不回避の死を甘んじて受け入れようとした。
・「癒しの手」ミシャカルは、イローダ族の絶望的なありさまを見た。そして彼らが寝静まったある夜、彼女の癒しの手が、彼らを撫で、彼らの体に変身する能力を授けた。彼女はイローダが敵と共に過ごせるように、彼らがクリンの各ヒューマノイドに変身できるよう加護を垂れた。この能力はイローダを敵対的な世界からかくまい、再三再四彼らの命を救った。
・しかし、イローダの隔絶は終わりを告げた。大変動はタキシスに、彼女への背信者の住む島、アナイアサ「Anaiatha」の所在を知らせることになった。彼女はランス戦争時自軍を召集し、以前の忠実なる下僕であったハイオグルを根絶させるべく大軍を派遣した。こうして彼らの牧歌的な至福の生活は壊された。イローダは数世紀にわたって魔法を学習してきたため、悪の勢力の侵攻をなんとかくい止めたが、しかしタキシスは多くのイローダを捕らえ、アンサロンに連行した。ランス戦争で悪の勢力が破れ去った時、捕らわれの身のイローダは解放された。彼らは故郷であるアナイアサへ戻る方法を探して、現在も姿を変えながらアンサロンの大陸を放浪している。
・一方、アナイアサに残ったイローダは現在、捕らわれた仲間を捜し解放するために、アンサロンの民に交じっておずおずと旅を続けている。
・アナイアサは“パーマネント ハリューシネイトリィテレイン”を含む各種の魔法の力を用いて、外敵に発見されることを防いでいる。ここは凪ぎの続く大洋に見える。しかしイローダだけが、銀の月ソリナリのハイサンクションの間、つまり3つの月が最も遠く離れている36日のうち9日間のみ、故郷からテレパシィの呼びかけを聞くことができる。この時イローダは、大洋を横切るアナイアサへの航路を見出せる。ただし船か、その他の方法で渡らねばならないだろう。残念なことにアナイアサへの旅程はハイサンクションの期間よりも長くかかるため、自力でアナイアサへ戻ったイローダはわずかしかいない。そして、今も彼らは故郷へ戻る道を求めさまよっているのである。
<生活様式>
・イローダの王の系列、つまりイグレインの直接の血統は、夢の時代より中断されずにずっと続いている。イローダは自分達の伝統と、互いを尊重し名誉をもって扱うことを誇りにしている。王又は女王は島を治め、最も普通のイローダでさえ、貴族階級の廷臣となっている。この取り決めは国民を喜ばせ、安定した君主制を維持している。イローダの住居はその衣服のように簡素かつ優美なものである。彼らはいわゆる家を造らず、厳しい気候の季節は滑らかな乾いた洞窟で暮らし、夏は暖かく青々と繁った谷で過ごす。彼らは住居を乾燥した花や茎で飾り、周囲の環境を汚染しないよう細心の注意を払う。彼らは自然との調和の中で生活するように努力し、各種の動物生産品を食したり着用することを拒否する。
・彼らは故国の島全体、ドラゴン列島の一部で、ここは各種の魔法によって防御されている。そのうちの1つの永久的な呪文が、島を単なる海洋が一面に広がっているように見せている。イローダでさえ、ソリナリのハイサンクション時を除いては、島を見つけることはできない。この間アナイアサは仲間に呼びかけ、船は港に向かうことができる。もし船がソリナリのハイサンクションの間にアナイアサへ到着できなかった場合、しばしば望みを失って遭難してしまう。
・イローダは彼らの間に伝わる秘本、イローダナイアス「Irdanaiath」をよりどころとしている。この本には全ての歴史と信仰についての事項が記されている。イローダのみがこの本を見、所持することができ、それ以外の者はその存在さえ知らない。イローダナイアスに加え彼らは、長大な口頭の歴史の伝承を有している。
<宗教>
・彼らはグッドの神々を信奉し、それ以外では唯一レオルクスのみが信奉されている。神々の中でもパラダイン(イローダ名、パレアス)とミシャカル(イローダ名、マゲア)が主に崇められている。パラダインは夜明けを、ミシャカルは日暮れを象徴している。パラダインのプリーストが最も多く、次いでミシャカルのプリーストが存在する。ミシャカルのプリーストは浄め、結婚、葬式、などの様々なセレモニィを行う役割を持つ。ごく少数の戦闘能力に長けた者がキリ=ジョリス(イローダ名、アンマン=デューク)を奉ずる。
・ニュートラルの神々は基本的に無視されており、一部の工芸者がレオルクス(サンマカクス)に感謝の念を示すのみである。ギレアンはしばしば、おおっぴらにあざけられる。イビルの神々もイローダ及びミスクタに無視されるが、ニュートラルの神々のように軽蔑の対象としては扱われない。
・イビルオグルは主に暗黒の女王タキシスを信奉する。しかしプリーストになれるのは、ヌズンタとオグルメイジ、ハーフオグルのみである。その他のイビルオグルはプリーストになれない。
<道具、技術、武器>
・イローダは科学技術に適合しない種族である。彼らの最も一般的な武器はバインボーラ、クラスターボールなどである。しかしイローダはこれらの武器を進退窮まった時にのみ用いる。彼らはその生来のシェイプチェンジ能力に頼ることを好む。彼らの魔法への高度な適合のため、彼らの魔法に対する探究心は並ぶ者がなく、上位魔法の塔の中にある知識でさえ、彼らにとっては物足りない。イローダはごく自然に魔法を使用し、殆どの者はマルチクラスメイジである。彼らは魔法を最良の道具とみなしている。
・グッドのハイオグルであるイローダとミスクタは草食性で、各種の果実、穀物、植物を食べる。逆にイビルのオグルは全て肉食で、特にヒューマノイドや人間、デミヒューマンの肉を好み、それらを奴隷兼食糧として保存しておく。
・オグル族は他種族にとって価値のある産品を有さない。また他種族との交易もあまり行わない。
<外見>
・イローダは端正な顔立ちをした、洗練されたオグルの種族である。彼らは、アンサロン大陸から離れた、牧歌的な島で暮らしている。彼らは長身でほっそりした体型をしており、身長は約6′(2d10+60インチ)、体重は150ポンド(6d12+120ポンド)ほどである。男女ともにほぼ同じ身長と体重を有す。彼らは細身だが充分に力強く、そのことは彼らの引き締まった筋肉が証明している。肌はミッドナイトブルー〜シーグリーンで、髪は普通は黒だが時に白や銀の髪の者もいる。髪は常に短めで、ていねいにくしでとかしてある。彼らの彫りの深い顔立ちと伏し目がちのまぶたは、彼らがまわりに対しうんざりし興味が無いような、誤った印象を他人に与える。彼らは銀色の目を持つ。イローダは長命な種族で、その寿命は、500年に達する。(5d10+500)
・イローダは簡素で軽い服を着る。例えば亜麻のスモックやシルクのガウンのようなものである。色合いはベージュのかかったものやライトブルーなどのパステルカラーの色調を好む。彼らはウール、レザーその他の各種動物製素材を拒否する。彼らの衣服には時にささやかな宝飾品がつけられている。例えばエメラルドのピン、パールのリング、スティールのネックレスなどである。彼らは優美なくらいなめらかに動き、見ているだけで快感である。彼らの声は並外れて豊かで美しい旋律の音で、クリンで最も美しい音色として知られている。
<性格>
・イローダは平和的な種族で、世界の安息を乱すようなことは全くしない。彼らは柔和で、口調はソフトで、思慮深く、クリン世界を定期的に揺り動かす暴力に対し不快感を示す。イローダはそのために他の種族に対して激しい憎悪を抱くようなことは決してないが、また決して他の文化圏に受け入れられることもない。これは永年にわたって発達した迷信によるところが大きい。伝説では恐ろしいことが述べられている。古いオグルはある日、死と破壊をもたらすためにこの世界に戻ってくると。イローダはオリジナルオグルの子孫であるため、彼らが世界の終末をもたらす先駆者と噂されることは想像するに難しくない。そのため彼らは真の姿が白日の下にさらされたら、彼らは迷信深い大衆によって駆られ、殺されるだろう。
・イローダは戦闘については天賦の才を持ち合わせていない。そして戦闘技能は彼らの中ではあまり一般的でない。もし選択可能なら、彼らは流血沙汰の交戦よりも潔い撤退をするであろう。彼らは戦いに何ら高潔なものはないと考えており、事実彼らは敵との物理的交戦の後、暴力対決に陥ることによって生来の精神が惰落してしまうことを防ぐために、浄めの儀式を受ける。
<生活様式>
・イローダの多くはアナイアサという島に住んでいる。ここは熱帯の楽園で、青々と茂った植物と友好的な動物で満ちあふれている。彼らは永久的な家を持たず、洞窟や谷間などに住む。そして気分によって新しい場所に移る。彼らが必要とする所有物はわずかだが、宝石と貴金属の輝きには魅了される。殆どのイローダは少量のコインとその他の宝を貯蔵している。これらは歓迎しない侵入者を買収し、金で事を解決する必要のある際に用いられる。
・彼らは1人の王(女王)により統治されている。王は完全なる君主として存在している。歴代のイローダの王の血統をたどると、全てがイグレインの家系となる。王は400才まで統治を行い、その後は子供のうち1人が後継者として王座に就く。王は男女ともに有り得るが、普通は前王の長子がなる。
・イローダは50年に1度、1d4人の子供を産む。彼らは良心的な両親となり、子供の人生の最初の数週間のうちから、芸術と科学の全てについて教育を開始する。このレッスンの中には最も重要な“シェイプチェンジ”も含まれる。勤勉なる習練により、殆どのイローダは20才時には基本的な“シェイプチェンジ”をマスターしている。そして随意にヒューマノイドに変身することが可能である。
<道具・技術・武器>
・イローダは自然との完全なる調和のうちに暮らすために大いに努力する。彼らは自分の生命が危険にさらされない限り、意図的に生物を傷つけることはない。そのため彼らはレザーや毛、その他の動物生産品を使用しない。彼らはベジタリアンで、各種の果実、穀物、植物を食べる。彼らは肉だけでなく、卵やミルクも口にしない。またアルコールは飲まない。
・彼らは肉体的接触を嫌うため、接近戦能力は乏しい。そのため彼らが各種の接近戦武器(ソード、メイス、ダガー、スタッフなど)を用いる際は、To Hitに-1のペナルティを負う。このような理由により、彼らはボウ、スリング、その他のミサイルウェポンを使用する傾向がある。彼らはアーマーをぎこちなく感じ、最も特別な状況下でのみ、それを着用する。彼らは最も軽量のアーマーを好む。(例えばパデッドアーマーなど)もちろん、レザーその他の動物製防護アイテムは拒否する。従ってブーツもはかない。
・イローダは交易をしないばかりでなく、他の種族にとって価値ある産品も全く有さない。時に部外者がエキゾチックな動植物の情報を見出すが、イローダはその情報と、いまだアンサロンをさまよっている同盟に関する情報、及び彼らが無事に帰還できるような手段とを交換する。
・アンサロンで見られるイローダは通常は1人で行動しているが、時に1d10人の小グループで地方をうろついているのが発見される。これらは家族の場合が殆どで、両親の切なる望みはアナイアサへ帰る道を見つけることである。もし自分達がそれを果たせない時には子供にそれを託す。
・イローダは優美だが、ショックに耐える力はあまりない。イローダは、Int、Dex、Chaに+2のボーナス。またConに-2のペナルティ。能力値は以下。
Min Max
Str 12-18
Int 5-20
Wis 10-18
Dex 8-20
Con 12-16
Cha 5-20
・イローダの基本ACは10。移動速度は9″。一般的アラインメントはLgかNgでイビルのイローダはいない。開始年齢は20+1d4。彼らは比較的Con値が低く、毒に対して抵抗性がないため、対毒STに-1のペナルティを負う。可能クラスとレベルは以下。
最高レベル
ファイター、アーチャー、マリナー・・・・・18
キャバリアー、パラディン
W・H・S・・・・・・・・・・・・・・・・18
H・O・S・・・・・・・・・・・・・・・・18
シーフ、スカウト、バード・・・・・・・・18
・イローダは魔法の使用に関しては才能があり、また実際に魔法と密接な関係を持っているため、他のどの種族よりも明解に魔法を理解できる。ゆえにイローダのスペルキャスターは、自分の使用できる最高レベルの呪文に関して、1つ追加で使用できる。この追加呪文は最高レベルの呪文にのみ適用され、キャスターのレベルが上がったら、それに合わせて変動する。
・イローダは生来の“シェイプ チェンジ”能力を持つ。身長を上下で2′変えることができ、そして各種のヒューマノイドの姿をとることができる。特にエルフ、ハーフエルフ、人間に関しては得意である。しかし“シェイプチェンジ”はかなりの習練を要し、しばしば時間を使い果たす。普通イローダはある1つの特定の形態について修得しており、この姿への変身を何度も繰り返す。これによりこっそり侵入し、出ることが可能で、面倒を最小にすることができる。イローダは慣れた形態には1Rで変身できる
・イローダはマスターした唯一の形態以外の形態を用いるのは稀である。この場合、新しい形態に調整するため、5R休息せねばならない。この調整時間終了後2Rの間、全てのダイス(To Hit、ST、etc・・・)に-2にペナルティを負う。これは学んだ新しい体の微妙な差異のためである。以上はエルフ、ハーフエルフ、人間への変身の場合で、その他の不慣れな形態に変身する時は、1d6+6Rの休息をとり、その後4Rの間、全てのダイスに-2される。このイローダの“シェイプチェンジ”は“ディスペル”されない。どの形態でも通常のようにダメージを受ける。
・Int値16以上のイローダは、“チェンジャーアデプト”「Changer Adept」になることができる。これは50才に達してからそのための学習を行う。学習には10年を要するが、一たんマスターしたら、ウィザード呪文の“シェイプチェンジ”と全く同様に変身できる。これは1日に3回行える。Int値18以上のイローダは“チェンジャーサバント”「Changer Savant」になれる。このための学習は、100才から開始され、マスターするのに50年を要する。その後は随意に“シェイプチェンジ”を行えるようになる。“チェンジャーアデプト”と“チェンジャーサバント”はこの能力を用い、敵を怯えさせるためにデスナイトやミノタウロスに変身したり、あるいは逆に敵から逃れるためにネズミや鳥に変身したりできる。
<外見>
・クリンのオグルは血に飢えた凶暴な獣である。彼らは全ての知的種族からさげすまれ、同時に恐れられている。クリンオグルは他の世界のオグルによく似ている。身長は約9′(男96+2d12、女93+2d12)で、他のヒューマノイドよりも大きく、厚く硬い筋肉質の体を持つ。(体重は男320+3d20、女280+3d20)彼らは大きな頭部につぶれたような鼻、尖った耳、高い額を有す。その小さな目は骨質の眼瞼の奥にあり、色は鈍い灰色から血赤色である。頭にはしらみがわいており、脂ぎった髪はもつれ肩まで垂れ下がっている。かさかさした肌は暗褐色から橙黄色で、かさぶたと汚物で硬くなり、しばしばざらざらのいぼで覆われている。クリンオグルは鋭い茶色の歯列を持ち、歯垢がべっとりとこびりついている。手指と足指の先からは黒い爪が生えている。女は男と外見はよく似ているが、やや小柄で細身である。
・クリンオグルは自分で殺した動物の皮や毛皮を着用する。これらはだぼだぼのスモック、長めのふんどし、厚手のケープなどの形に作られる。これらの皮はなめしていないか、そうする前に衣服にしたものとして扱われ、腐った肉のような悪臭を放つ。オグルはあらゆる種類の手袋や靴を着用せず、それでも硬くなった足の裏は充分な防護力を示し歩行に支障は全くない。一部のオグルは石のネックレスを身につけ、他は原始的なボディペイントを施している。クリンオグルは独自の言語を話す。寿命は100年前後(90+2d20)である。
<性格>
・オグルほど暴力的で残酷な生物はごく少ない。低い知性とかっとなりやすい気性のため、殺人、蛮行、悪習、は彼らの社会においては日常茶飯事である。欲張りで他者の者をむやみに欲しがる性格のため、殺戮への欲求同様、宝への欲求も強い。他の世界同様、クリンオグルも非常に危険な存在である。彼らは各種の問題を全て暴力で解決しようとし、部族の争いはどちらかが死ぬまで戦うことにより解決される。複雑な作戦を遂行するには頭の動きが鈍いが、接近戦で敵を殺すまで戦う時には情け容赦がない。彼らの暴力的性質ゆえ、オグルは殺してしまった後もその敵をずっと殴り続けるため、誰かがそれを制止しなければならない。よそ者は無情に攻撃される。これには他の部族のメンバーのオグルも含まれる。オグルはよそ者と無駄に話をするよりもむしろ、殴って屈服させようとする。
・オグルは短気で意地が悪く、また極めて強欲で、同族間でも財宝その他についてつまらない喧嘩を行なう。また宝や捕虜の入手後の管理もずさんで、食事を与えるのを忘れ、捕虜を飢え死にさせたりするため、全く信用するに足りない存在である。
<生活様式>
・伝説ではクリンで最初に目覚めた種族はオグルであると言われている。オリジナルオグルは、美しく魅力的な種族であったが、彼らは段々とイビルの傾向になっていった。彼らの部族は世界の隅々にまで広がっていった。初期のオグルのリーダーの1人、イグレインは他の部族に、悪の道に進むことは、オグルの品性の低下を招くであろうとし、その愚劣さを悟らせようと試みた。しかしこの予言は受け入れられず、イグレインは愚かな民を見捨て、自分の啓発された仲間を率いて旅立った。彼らはやがて、イローダの名で知られるようになるのである。
・イグレインの予言は実現し、オグルの品質低下は起こった。彼らはその悪の心にマッチするまで醜くなり奇形化していった。こうしてクリンにおけるオグルの支配は終わりを告げた。彼らはエルフとドワーフにより狩られ、虐殺された。そして人間により追放され、ミノタウロスには奴隷にされた。加えて各々のオグル部族は互いに戦争を起こし、その数をさらに減少させた。最終的にオグルはクリンの僻地へ追いやられ、ここで暮らすことになった。グッドの種族はオグルを避け、イビルの種族は彼らを利用するための手段としてしか見なしていない。
・オグルは最も近づきがたい場所、例えば草が枯れ果てた地や、地面がひび割れほこりだらけになった所、あるいは水が汚れ澱んでいる場所、などを選んで居を構える。都市も存在するが、殆どのオグルは小さな部落に住む。典型的なオグルの部族は大きな水のたまった穴を中心にし、周囲に粗末な石造の小屋が集まったものである。各小屋には寝るための古びた毛皮と家族の武器以外に家具らしき物は一切ない。各小屋の外には、無煙炭で焙った肉を吊るすために巨大な掛け具が備え付けられている。典型的な村は宝物小屋と獲物を入れておく穴を有する。穴には狼、熊、蛇などが入っている。彼らは部族の中で弱い者を穴の中に投げ入れて遊ぶ。そして外へ出ようとしてよじ登るのを見て楽しむ。
・1つの家族は1組の両親と1〜2人の子供から成る。女のオグルは1年に1回、1人の子供を産む。子供は20才になると自分の小屋を所有し、自分の家族を持つようになる。もちろん親から独立しても、部族内には留まる。年老いたオグル(あまりに老齢で狩り、出産、その他の何らかの形で部族に貢献することの出来なくなった者)は殺される。
・10名以上の部族にはリーダーが、そして20名以上の部族には族長が1人いる。(この場合、リーダーは族長の代理人となる)部族の内、女は半数以下である。オグルは女をくだらない仕事と子供を産むくらいしか役に立たない、下位の存在とみなしている。
・族長又はリーダーは、部族内の女の数に注意を払う。もし女の子供の数が男の子供の数を上回った場合、過剰となった女の子供は殺されてしまう。各部族はまた、少数の奴隷を持つ。奴隷の数は部族の人口の約20%ぐらいである。奴隷の多くは人間だが、エルフやドワーフもわずかながらいる。オグル部族は常に新たなる奴隷を必要とする。なぜなら彼らは遊びで奴隷を殺したり、狩りに行くのが面倒な時には食べられてしまうからである。
・1つの狩猟隊は普通、1名のリーダーと約6人の成人男性で構成され、全員重武装している。この狩りの期間は数日から数週間に及び、これは部族の必要量と獲物の生息度によって左右される。リーダーは部下を非道に扱う。例えばメンバーの中で最も弱い者は、飢えた獲物をおびき寄せる餌の役割をさせられる。部下達はしばしば、狩猟中のリーダーの不運な死を計画する。帰還すると彼らはリーダーを失ったことを報告し、その時彼らのうち1名がリーダーの地位を主張する。
・オグルリーダーと族長は部族の完全なる支配者である。部族内での犯罪は裏切り、盗み、不当な殺人、そして臆病である。それらの罪に対する刑罰は死であり、普通長びく苦痛を与える。犯罪者は崖に逆さに吊るされ太陽に焼かれたり、毒蛇の詰まった袋に封入されて海に投げ込まれたり、流砂の底なし沼に沈められそれを部族の者が眺めはやしたてたりする。
・オグルは倒した相手から全ての宝を奪い取り、それを村へ持ち帰る。族長又はリーダーはそのうち半分を取り分とする。宝を持ってきたオグルには少ない分け前しか与えられず(普通10%以下)、残りは村の宝物小屋にしまわれる。族長は特別な功績をあげた部族の者に宝を授与する。例えば強力な敵を倒した場合が適用となる。そしていつも決まって族長は、自分自身にこの特別な賞品の大半を授与する。
<道具・技術・武器>
・全ての知的種族はオグルと関わり合いになることを避ける。しかしイビルの種族は時にオグルを自軍の兵として用いる。オグルは愚かで複雑な任務には不適格だが、充分な報酬を与えれば進んで危険でいやな仕事を請け合う。ある種のミノタウロス共同体はオグルを奴隷として用いている。
・オグルは戦闘時、スピアー、バトルアックス、メイス、クラブ、その他の接近戦武器を好んで用いる。これらの武器は死んだ犠牲者から奪ったり、石や木、その他の材質から作ったりする。粗末な出来にも関わらずオグルの武器は、より良い出来の武器と同じように効果的に機能する。オグルはたまにボウ、スリング、その他のミサイルウェポンを用いるが、彼らはそのような武器を用いることをみっともない事と考える。しかし自分達が、犠牲者をたたき切り、殴りつけることに快感を覚えているという見解について否定している。
・オグルが滅多にアーマーを着用しないのは、彼らのサイズに合うアーマーを見つけるのが困難であるというのが主たる理由である。彼らはしばしば石のかけらを埋め込んだ毛皮や皮を重ね着する。この場合、ACは4となる。
・オグルは、クズリ、オオカミ、その他の森林の動物を食料としている。しかし彼らは人間、エルフ、ドワーフの肉も食べる。ケンダーとノームの肉は御馳走と見なされる。オグルの漁師は浅瀬に打ち上げられた死んだ魚を集める。これは生きたそれを捕えるよりも簡単だからである。そして死んだ魚も生きている魚と同じくらい美味いと思っている。オグルは他の種族とは交易を行なわないが、オグルの部族同士では時々交易を行なう。しかしこの取り引きはしばしば暴力的なもの分かれとなる。例えばAの部族が動物の皮やエールをBの部族の宝石や武器と交換した場合、Bの部族はエールを飲んで酔っぱらい、Aの部族は彼らの喉をかき切り、欲しい物を持って行くことになる。彼らは温帯から熱帯にかけてのあらゆる場所(山、森林、沼、ジャングル、平原、地下など)で見られる。
・オグルがPCになるのは稀である。そのCeの性質と人を食べるためである。オグル社会とそのモラルにより、排除された者が追放されPCとなる。彼らはイビルではないがカオスである。多くのPCオグルは彼らの基準においては親切で紳士的である。オグルPCはパーティーの仲間に合わせて行動しようとするが、誤りとミスをしがちである。特に彼らの強欲な傾向は、宝の分け前の際にトラブルを招きやすい。キャラクター作製時Str、Conに+2、IntとChaに-2の修正。能力値は以下。
Min Max
Str 16-20
Int 2-8
Wis 2-9
Dex 2-8
Con 14-20
Cha 2-8
・基本ACは5、移動速度は9″、一般アラインメントはCe、スターティングエージは、15+1d4。スタート時+4HPボーナス。(平均4+1HDのため)彼らはLサイズモンスターとしてダメージを受ける。可能クラスは以下。
最高レベル
ファイター・・・・・・・・・・・・・・・・12
H・O・S・・・・・・・・・・・・・・・・3
<外見>
・冒険者のパーティーは旅の途中でしばしばオグル〜巨大で醜いヒューマノイド-に出会うであろう。その中で時々、群れに混じって、1〜2人のやや小柄でかなりスマートな、武器を巧みに扱う者を見出すことがある。その者はより明確に敵を理解し、冒険者の行動を予期して、ぶつぶつ言いながら他のオグルに命令する。これがオグルと人間の雑種として知られるハーフオグルで、彼らはオグル族の中では尊敬を得ている。
・ハーフオグルは身長7′〜8′(男:84+2d6インチ、女:78+2d6インチ)、体重は370ポンド前後(男:270+6d10ポンド、女:220+6d10ポンド)である。肌と髪の色は様々で、茶、黒、グレー、くすんだ黄色(肌のみ)、あるいはそれらに灰緑色がかかったものなどがある。歯と爪は常にオレンジである。殆どのハーフオグルは人間に似た目を持つが、およそ1/5の者は白い瞳を持つ。彼らの臭いはかなり顕著だが、純粋なオグルほどひどくはない。ハーフオグルの一般的な服装は厚手の皮や毛皮で、これによりAC:5扱いとなる。稀にチェインメイルを着用する者もおり、この場合AC:3となる。ハーフオグルは両親と異なり60′のインフラビジョンを持つ。彼らの嗅覚はオグルよりも良いが、それでも人間以下である。彼らの寿命は110年ぐらい(90+2d20)である。
<性格>
・賢者は長年に亘って、なぜオグルが人間と交雑が可能でエルフやケンダーとは不可なのか、という問題について自説を述べてきた。しかし実際の答が見つかった時、賢者達の心配は根拠のないことが証明された。それは人間とオグルの起源によるものとは全くの無関係で、むしろオグルの生態的適応力の高さによるものであった。オグルはあらゆる地形に迅速に適応するように、遺伝的形質も各種ヒューマノイドと交雑可能になるよう変化していったのである。このたやすく交雑する性質は、その子孫にも受け継がれ、ハーフオグルもまた多くの他のヒューマノイドと交雑可能となった。この過程が多くの世代で続いていくとその結果は、おぞましい交雑種のモングレルマンとなる。多くのモングレルマンは彼らの血筋の中に含まれるゴブリンとオグルの血統により、イビルに傾く可能性によって極度の緊張を強いられている。
・ハーフオグルは生態系の中でオグルと同様の位置を占めており、人間やデミヒューマンにとって厄介者となっている。宝を貪欲に求め、何らの技巧も持たなければ、良い労働者ともなり得ない。ハーフオグルの詩は長年月に広まっていったが、それは特に醜悪で耳ざわりである。
・ハーフオグルは他者を怯えさせる傾向がある。大きく牙のはえた口での笑顔と、恐らくどんどんとまわりの者を叩いて音を立てる拳により、相手に急な用事を思い出させ、あるいは失神させてしまう。コボルドはスピアをぐっと握りしめ、7′6″の筋肉の塊が扉を叩き壊し粉々にした時に、一斉にすくんでしまう。より大きなモンスターでさえ、ハーフオグルに攻撃する時は躊躇する。彼らはまた地方の人々に恐れられ、ハーフオグルとその仲間には誰も手を出さずに放っておく。
<生活様式>
・ハーフオグルは自分達だけの社会を持たない。もし彼らがオグルと共に住んでいたら彼らは部族内で頭の回転の早いメンバーとして、それに値する者であることを証明することにより、決して油断できない存在であることを印象づける。もしハーフオグルが人間社会で育てられたら、彼らは疑いと恐怖を抱かれることを学び、しばしば軍又は個人職に走る。
・時折ハーフオグルは他のヒューマノイドと行動を共にしていることがある。これらの共同体は小規模で(5〜200名の居住者)普通孤立しているが、各地で見られる。ハーフオグルはこの中で中くらいの地位を保っている。ゴブリンやホブゴブリンよりは強いが、バグベアーやトロルよりは弱い。全体としてこれらの共同体はCeのアラインメントを有すが、半カースト制で協力の必要性から生じたややニュートラルの傾向を合わせ持つ。彼らはハーフオグルを他のヒューマノイドより好み、オグルに対してもそういう傾向を示す。自身に流れる人間の血により、彼らは人間に対してニュートラルな反応を示す。事実Ceの人間がしばしばこの混成部隊の中で最も熱狂的な部下として見出せる。ハーフオグルはまたトロル、Gオグル、ノールなどに対して容認しているが、その他のヒューマノイドは偽りのない敵意を持って扱う。
・混成部隊は文明化された地域を急襲し、囚人と戦利品を奪ってくる。この部隊は囚人を保有物として見なしている。これは宝についても同様である。ハーフオグルは普通、正当なる量の宝の分け前を、よりずる賢い他のヒューマノイドにだまし取られる。
<宗教>
・ハーフオグルは、主にタキシスやサルゴナスを信奉している。その他にイビルオグル独自の神、「破壊者」ヌンムラ(Nummula)のプリーストも多い。ヌンムラは巨大でとてもおぞましい、茶と緑のまだら模様でかぎ爪を持ったオグルの姿で現われる。ヌンムラのシンボルはかぎ爪、呪文の領域はオール、コンバット、ディビネーション、ヒーリング、プロテクション、ステラー。プリーストは1日に3回、1ターンの間バーサークレイジを行なえる。(To
Hit&ダメージに+2ボーナス、ACに+2のペナルティ)ターニング能力はない。アライメントはCe。武器は何でも可。
<道具・技術・武器>
・ハーフオグルはしばしばオグルと共に戦闘を行なう。その場合ハーフオグルはオグルのパーティーを先導するだろう。ハーフオグルに率いられたオグルはより賢い戦い方、例えばスペルキャスターを判別して襲ったり、チームを組んでファイターと戦ったりする。アンブッシュもより計画的に上手く敵を誘い込む。
・指揮権の特権を得るため、時にリーダーがオグルの場合はハーフオグルは自分を素早く勇猛な戦士に見せる。ハーフオグルは普通大型のソード(彼らはバスタードソードを片手で扱え、両手持ちと同じダメージを与えられる)かウォースピア(2d4HPダメージ)を用いる。またラージシールドも用いる。彼らは雑食だが肉(特に生肉)を好む。
・ハーフオグルはその体に流れる人間の血により、オグルに比べて思考や感情が和らげられており、その異常なサイズを除いては醜い人間のように見える。これは、その片親の遺産の部分を隠さねばならないとしても、人間社会への定着を比較的容易にしている。キャラクター作製時StrとConに+1、IntとChaに-1の修正。能力値は以下。
Min Max
Str 14-18
Int 3-12
Wis 2-12
Dex 3-12
Con 14-19
Cha 2-8
・基本ACは9、移動速度は12″、一般アラインメントはCe、スターティングエージは、15+1d4。スタート時+2HPボーナス。(平均2+6HDモンスターのため)彼らはLサイズモンスターとしてダメージを受ける。可能クラスは以下。
最高レベル
ファイター、バンディット・・・・・・・・・12
H・O・S・・・・・・・・・・・・・・・・8
<外見>
・オグルメイジは極めて稀に見られる、邪悪かつ強力なオグルの一族である。彼らは淡青色、淡緑色、もしくは淡褐色の肌を持ち、額に1〜2対の象牙色の角を生やしている。頭髪は通常は別々の色(緑と青、青と緑)で、物陰ではより黒く見える。例外として淡褐色の肌の者は黄色の髪を持つ。黒い目と白い瞳を持ち、爪は黒く、歯と牙は純白である。身長は約10′(男114+2d6インチ、女96+2d6インチ)、体重は850ポンドぐらい(男810+4d10、女780+4d10)で普通のオグルよりスマートである。彼らは東洋風の服、武器、アーマーを好む。寿命は200年程度(175+2d20)である。
<性格>
・オグルメイジは普通のオグルよりも文化的で、より知性的である。しかし恐ろしく危険な存在であることに相違はない。彼らは蒐集欲が強く、奴隷、財宝、食料などを熱心に集める。彼らは戦闘時、物理的攻撃よりも魔法を用いることを好み、必要に迫られなければ接近戦を行なわない。彼らは知性的であるため、圧倒的に劣勢な状況では戦うことは選ばずに、援軍を求めるか隠れるために逃走する。
<生活様式>
・オグルメイジは防護を固めた住居や洞窟に住み、奴隷、宝、食べ物を集め、また自分の子供を守る。氏族の構成人数は少なく、戦うよりもガス化して逃走することを選ぶ2〜8名の女と1〜3名の子供、そして1〜6名の成人の男だけである。氏族内での役割は分担されており、男はファイターかウィザードまたはシーフで、プリーストは普通女である。オグルメイジは極めて子供に対する愛情が強く、その命を守るためならば自らの命すら捨て去る。もし子供が捕えられたなら、多額の身代金が支払われることであろう。ただし彼らは当然復讐を策諜し、決して誘拐の恨みを忘れない。
・氏族は1名の族長によって率いられている。通常族長には、最も強力な成人男子がなる。財宝は族長によって分配されるが、取り分は族長が最も多い。氏族には東洋風の独特の紋があり、ヘルメットやアーマー、旗や軍旗にもこの紋が書き込まれている。族長の額もしくは背中には大抵この紋が入れ墨されている。氏族が脅威にさらされた場合、族長は先頭に立って戦う。族長の地位はしばしば狙われ、この場合1対1の戦闘(魔法を含む)で決着をつける。ただしこれは滅多に殺し合いにはならない。稀に氏族外の、いわゆるはぐれオスと族長の座を争って戦うこともある。この場合に限り、敗者は氏族から追放される。(そして新たな氏族となることもある)また、氏族の方針に対立して出て行く者も時には存在する。
<道具・技術・武器>
・オグルメイジは戦闘時、ナギナタ、シミター、ホイップ、ハルバード、スピアー、グレートボウなどを好んで使用する。彼らの用いるアーマーは大きすぎて、普通の人間には使用できない。彼らはマジックアイテムもよく用いる。オグルメイジは肉食で、動物の他に人間やデミヒューマンを食用にする。特に人間の子供は大好物である。
・彼らはしばしば必要性からPCになる。魔法の学習、あるいは氏族の要する特別なアイテムを探す場合などである。これらの者はその利行ある限りPCである。他に追放された者や、伝統の変化を求め飛び出していった者などもPCとなり得る。ごく稀な例として幼い頃にさらわれ奴隷となり、自由を得た時より冒険者となるケースもある。この場合、自分の種族についての知識は少ないため、彼を育てた人々の傾向を示す。そのため文化や社会の影響なしに自身を1個の存在と見る傾向がある。PCオグルメイジはキャラクター作製時Strに+1、Wisに-2の修正。能力値は以下。
Min Max
Str 12-18
Int 8-17
Wis 3-16
Dex 7-18
Con 8-14
Cha 2-14
・基本ACは4、移動速度は9″、一般アラインメントはLe、スターティングエージは、20+1d4。スタート時+5HPボーナス。彼らはLサイズモンスターとしてダメージを受ける。可能クラスは以下。
最高レベル
ファイター、アーチャー、バンディット・・・9
W・O・H・・・・・・・・・・・・・・・・8
H・O・S・・・・・・・・・・・・・・・・7
シーフ、シャドウ、スカウト・・・・・・・・8
・オグルメイジは、1日に1回、以下の能力を使用できる。“チャームパースン”“スリープ”“ガセアスフォーム”“コーンオブ
コールド”(60′×20′、8d8HPダメージ)。また随意に“フライ”(12ターン)、“インビジビリティ”“ダークネス
10′r”を使用できる。さらに彼らは各種二足歩行生物に“ポリモーフ”できる。(身長4′〜12′)。また彼らは1Rに1HPずつリジェネレイトする。(切り落とされた部分はくっつけなくてはならない)オグルメイジのPCは、レベルアップの際に通常の2倍のXPを必要とする。
<外見>
・ジャイアントオグルは途方もなく巨大なヒューマノイドである。身長は約24′(男18+1d8フィート、女16+1d8フィート)、体重12000ポンド(男6000+100d100ポンド、女4000+100d100ポンド)で女の方がやや背が低く、体重も軽い。彼らの外見は巨大なオグルに似ているが、それよりもややスマートである。広い額、尖った耳、大きな口を持ち、下顎からは牙状の大きな歯が2本突き出している。肌の色は明るい黄褐色から濃いレンガ色まであり、髪の毛は茶色か黒、目は黒である。彼らは全体的に毛深い。
・ジャイアントオグルは粗雑に縫い付けられた獣の皮を身に着けている。彼らのナチュラルACは5だが、この毛皮を着用した場合、AC3となる。殆ど全てのジャイアントオグルはこの毛皮を所有しており、その数が多ければ多いほど、彼らの社会においては尊敬される。彼らは自分の所有物を大きな革袋に入れて持ち運ぶ。袋の中には2d6個の岩、財産、そして1〜8個の日常的な品物が入っている。彼らは独自の言語を持つ。寿命は約200年(180+2d20)。
<性格>
・ジャイアントオグルは自己中心的で悪賢い暴漢で、狩りと周辺社会の略奪によって生活している。彼らは知性は低いが有能な戦士で、時に強力な兵として軍に雇われる。彼らは障害となるものを避けずに、力ずくで破壊していく。彼らを脅かすような存在は稀なため、彼らは恐れることなど滅多に無い優秀な兵士と成り得る。その巨体ゆえ、彼らにとって最も重要なのは食料を確保することであり、逆にこれらが保障されれば比較的容易に傭うことができる。(ただしこれを維持するのは大変である。彼らは1日に300ポンドもの食料を要するからである。これは通常の人間の100倍にも相当する。)
・彼らはその強さゆえに、殆どの敵を見くびる傾向がある。彼らは一踏みでゴブリンやコボルドを即死させ、一撃で大抵の人間を倒してしまう。彼らにとって、他の大多数の種族は非常に弱い存在であり、戦闘時にも大した相手にならないと見なす。そのため多数の兵士の中に突っ込んで矢を射かけられたり、罠にはまって破れたりといった、油断によるミスをしがちである。しかし、接近戦になった場合には、ジャイアントオグルにかなう者はまずいない。
<生活様式>
・ジャイアントオグルは主に亜寒帯の丘陵地や山岳地帯に生息している。彼らは元来、温暖な気候を好むが、生息域を追われ彼らは洞窟、堀り抜かれた洞穴や粗雑な小屋に住みついている。彼らは毛皮を使って体温を保ち、巣から冷風を締め出す方法に長けている。
・彼らの住家には1d8+8名の者が住んでいる。この集団は通常は一族である。これらの一族は時として独り者のジャイアントオグルを集団に迎えることがある。もし住家に6人以上いた場合、半数が成人男子、1/4が成人女子、残りが子供である。女は1年に1回、1〜2人の子供を産む。彼らは乱婚的で、決まった婚姻関係は存在しない。また階級らしきものも存在しない。真にカオスな生活を送っている。
・時として平均的な知性を持つジャイアントオグルが存在する。そのような者は通常の4倍までの人数の仲間を集められる。これらのジャイアントオグルは“王”として人間の町や他のジャイアントオグル族への略奪を指揮する。
・ジャイアントオグルはしばしば、軍の兵士として傭われる。彼らは戦闘と破壊行為においては極めて有能な戦士で、とくに攻城戦や大規模戦闘において真価を発揮する。また逆に、彼ら自身も「番犬」代わりにオグルを使役していることがある。
<宗教>
・彼らは主に独自の神、アカントリモン「Akanthorimon」を信奉している。アカントリモンは毛皮に覆われた巨大なジャイアントオグル、もしくはエティンの姿をしている。アカントリモンのプリーストは、弱い種族(各種ゴブリン)を、一掃することを使命としている。アカントリモンプリーストの呪文領域は、オール、アニマル(マイナー)、コンバット、エレメンタル(アースのみ)、ヒーリング(リバース)、ネクロマンティック(マイナー)、サモーニング、ステラー(マイナー)、ウォー(マイナー)。プリーストは1レベルでクラブを保有せねばならない。他の武器は何でも可。シンボルは木のクラブである。プリーストのアラインメントはCeのみ。ターニング能力はない。
<道具・技術・武器>
・ジャイアントオグルは主に狩りによって得た肉を食べているが、入手できない時は、穀物や果実、野菜なども食べる。彼らは特に人間とエルフの肉を好む。大量に獲物が手に入った場合は、干し肉にして保存し、それを袋に入れたり腰に下げて持ち歩く。彼らは有用な物を産しないが、時として同族やオグルの集団と食料や小間物を交易したりする。ただしこれは物別れに終わることが多い。
・PCジャイアントオグルは何らかの事情で独りで生活する者や、軍隊が崩壊して自力で生活する必要が生じた者がなる場合が多い。PCジャイアントオグルはCnの傾向がある。キャラクター作製時IntとChaに-2、StrとConは特殊(以下参照)。能力値は以下。
Min Max
Str 19-24(18+1d6)
Int 2-10
Wis 2-10
Dex 2-9
Con 17-24(16+1d8)
Cha 3-9
・基本ACは5、移動速度は12″、一般アラインメントはCe、スターティングエージは、16+1d4、彼らはレベル毎に通常の2倍のHDを振ることが出来る。例えばファイターならレベル毎に2d10、プリーストなら2d8となる。彼らはLサイズモンスターとしてダメージを受ける。可能クラスは以下。
最高レベル
ファイター・・・・・・・・・・・・・・・・9
H・O・S・・・・・・・・・・・・・・・・7
・ジャイアントオグルはレベルアップの際に通常の2倍のXPを要する。例えばファイターなら1レベルから2レベルになるのに4000XP、3レベルになるのに8000XPを必要とする。彼らは岩(直径約3′、重さ約200ポンド)を投げつけて攻撃する。レンジは5″/10″/20″で、それぞれ2d8HPのダメージを与える。SFは5、その他は全てグレネードと同様に扱う。もちろん、ダメージにはStrボーナスも適用される。
・彼らの用いる武器やアーマーは、巨大すぎて他の種族には使用できない。このことは逆に、彼らの使用できる武器やアーマーが入手困難であることを意味している。従ってPCジャイアントオグルは、例えば物品や食料、そして宿屋を探すことに常に苦労するであろう。
<外見>
・エティンは凶暴で攻撃的なハンターで、夜になるとうろつき、あらゆる生物を食料として捕える。エティンは一見すると双頭のジャイアントオグルの様だが、近づいて観察するとかなり外見的な相違がある。エティンはピンクから褐色の肌を持つが、全身中が暗褐色を呈している。これは彼らがもしそうすることが出来たとしても、決して入浴しないからである。そのため普通、厚い汚れと垢におおわれて上記のような皮膚の色となる。彼らの皮膚は厚く、それゆえ低いACを有す。髪は長くぼさぼさで、黒っぽい。瞳は黒く、その目はいつも充血して赤くなっている。耳は短く尖っており、鼻はブタのようで正面を向いている。歯は黄色く、しばしば腐って抜け落ちている。口は大きく、ひどい口臭を発する。
・彼らはジャイアントオグルに比べるとかなり小さく、身長は約13′(男120+6d12、女126+6d12)体重は約2000ポンド(男1800+4d100、女2000+4d100)で、女のほうがわずかに大きく、また太っている。エティンの2つの頭のうち右側の頭が常に支配権を握っている。また、エティンの右腕と右脚は左側に比べやや筋肉質でよく発達している。エティンの衣服と言えるものは動物の生皮のみで、それは汚れてほこりにまみれている。明らかにエティンの臭いはとても非道いが、彼らは身なりや臭いを良きにつけ悪しきにつけ全く気にしていない。彼らの寿命は短く、12〜13年(10+1d6)ぐらいである。
<性格>
・エティンは極めて凶暴で攻撃的な獣である。知能は低いが狡猾な戦士である。彼らは直接突撃するよりも待ち伏せして戦うことを好む。が、一たん戦闘になると全ての敵が死ぬまで、あるいは自分に攻撃が返ってくるまでは猛烈に戦う。エティンはたやすく退却しない。そうするのは勝利が不可能な場合のみである。
・彼らは極めて予測しがたい獣である。(そんなことは滅多にないが)非常に機嫌が良かったのに、さして確たる理由もなく急に荒れ狂ったりする。彼らの感情の振幅は激しく、唐突に騒ぎ出したり、いきなり激怒したり、果ては号泣したりするため油断がならない。しかしいずれにしてもその感情の表出は極めて激しく、まるで幼児のようである。その不安定で爆発的な感情のため、彼らは精神に影響を及ぼす攻撃に対し、STに-2のペナルティを負う。
・彼らには我慢をするという観念がないため、あらゆる欲求、特に生理的欲求のままに行動する。そのため空腹になれば同族を喰うことも厭わない。(ただし滅多に起こり得ない)欲求を制止された場合、それは攻撃衝動に取って代わるだろう。
<生活様式>
・エティンは亜寒帯〜温帯の、人里は離れた丘陵地や山岳地帯に住む。彼らは地下の洞窟を巣にしており、そこは腐った食物や腐肉の悪臭に満ちている。そして昼間はこの巣で眠り、夜になると獲物を探しに出かける。エティンは基本的には独居性で、つがいのエティンは子供が産まれてから自立できるようになるまでのみ共に生活する。子供のエティンは急速に成長し、誕生して8〜10ヵ月後にはもう十分に自活できるようになる。
・極く稀に、特に強力なエティンが1d4人のエティンを引き連れていることがある。この小グループは、リーダーが生きていて戦闘に破れない限り持続する。リーダーの明らかな敗退はグループの解体を招き、各々のエティンは別々の行動を取るようになる。
・エティンは宝を集めるが、それはゴブリン類の奉仕を買うための目的のみのためである。彼らはしばしば、エティンの巣の周囲に罠を建造するためや、強力な敵と戦う際の一助となるように、エティンに仕える。エティンはまた、1〜2頭のケーブベアーを番犬代わりに住まわせていることがある。
・エティンの住むぬかるみだらけの洞窟は、寄生虫や害獣の安息所となっており、エティン自体も各種の寄生性の病気に感染しているのは、稀なことではない。宝を求めてエティンの巣をひっかきまわした冒険者は、それが胸くそが悪くなる仕事であることに気がつくであろう。もちろん、この際に何らかの病気にかかる恐れはある。
<道具・技術・武器>
・エティンの社会は原始的なため、文明化された生物にとって価値ある物は何も産しない。一部のいく分知的なエティンは、何らかの利用価値のあると思われる他の生物の存在を容認するが、殆どの場合エティンは暴力的な独居生活者で、通過する者を問答無用で破壊する。
・エティンは常にスパイク付きの巨大なクラブで攻撃する。それぞれの頭がそれぞれの腕をコントロールするため、彼らは両ききである。武器のない場合は素手で、そして極めて稀に岩を投げて攻撃する。
・エティンは独自の言語を持たず、周辺で最もよく用いられている言語(オグル語、ジャイアントオグル語、ゴブリン語など)から聞きかじった単語や表現を使用する。さらにCeのアラインメントランゲージも少々知っている。彼らの話す言葉は50%の確率でしか内容を理解できない。
◎PCエティン
・PCエティンは他のイビルヒューマノイドやイビルキャラクターの軍の戦力の一員などであることが多い。エティンはキャラクター作製時Conに+2、Chaに-3の修正。他は特殊。能力値は以下。
Min Max
Str(右)
19 22 (18+1d4)
(左) 17 20 (16+1d4)
Int 2 7 (1+1d6)
Wis 2 9 (1+1d8)
Dex 2 7 (1+1d6)
Con 13 19
Cha 2 7
・基本ACは3、移動速度は12″、一般アラインメントはCe、スターティングエージは、1d3+7ヵ月。エティンのPCはレベル毎に通常の2倍のHDを振ることができる。彼らはレベルアップの際に通常の2倍のXPを要する。彼らはLサイズモンスターとしてダメージを受ける。可能クラスは以下。
最高レベル
(長所能力値によるレベルボーナスなし)
ファイター・・・・・・・・・・・・・・・・6
H・O・S・・・・・・・・・・・・・・・・3
・エティンファイターはクラブと素手以外のスペシャリゼーションは出来ない。H・O・Sはアカントリモンのみ。彼らは90′のインフラビジョンを持つ。また30′内の様々な臭いを嗅ぎ分ける。2つの頭で警戒しているため、10%の確率でしか不意を打たれない。彼らは2つの頭を持つため、精神に影響を及ぼす呪文で1体の生物にのみ効力のあるものは、二つ同時か連続して使用しなくてはならず、それぞれにSTが与えられる。もし片側の頭が呪文の影響を受けると、そちら側の腕は無力化する。どちらかの頭が破壊されると1d6Rの間混乱し、しばらくの間は反対側の腕はTo Hitに-2のペナルティを負う。これは1〜2ヵ月続く。失った頭が再生することはないし、2つの頭で議論を交わしたりすることもない。それぞれの頭の会話は追随する双児のようである。
・エティンは稀に岩投げ攻撃を行なう。この岩は直径約2′、重さ約70ポンドで、2″/4″/6″のレンジを持ち、それぞれ2d6HPのダメージを与える。しかし彼らはこの攻撃をあまり好まない。
トロル 「Troll」
<外見>
・トロルは亜寒帯から温帯にかけての荒野、丘陵地、山地、沼地などに生息する恐るべき肉食ヒューマノイドである。トロルは身長9′(男102+1d12インチ、女108+1d12インチ)体重350ポンドぐらい(男280+6d10、女300+6d10)で女の方が男よりも体格や力で勝っている。トロルの体格は細身で針金のように見えるが、実際は驚くほどの腕力を備えている。脚と腕は長く不格好で、足は大きく3本の指があり、手は大きく、長い指の先には鋭い爪がついている。皮膚はゴム状でその色は吐き気を催すようなモスグリーン、汚らしい灰緑色、又は濁った灰色である。ねじくれた髪の毛状の物質は頭蓋骨から直接生えており、通常緑黒色かスチールグレーである。耳介は小さくあまり目立たない。鼻は長く突き出しており、独特の風貌を与えている。鋭く光る落ちくぼんだ黒い目は、強力なインフラビジョンを誇っている。歯は牙状で鋭く、緑白色である。
・トロルは二足歩行するが、肩を落とし背中を前に丸めている。足つきはおぼつかず、走っている時には手がだらんと垂れ下がり、地面に引きずることもままある。これらの点からトロルはひどく不器用な印象を受けるが、実際には極めて機敏である。壁登りに長じており、垂直の切り立った壁でも80%の成功確率で登ることができる。彼らの聴力は極めて弱いが、代わりに嗅覚は非常に発達している。トロルに独自の言語は存在しない。彼らは代わりに「トロル言葉」という、コモン、オグル、ゴブリン、ボブゴブリン語をごたまぜにした忌まわしい言葉を使用する。トロル言葉は極めて地方色が強く、ある地方から来たトロルが別の地方から来たトロルと意志疎通できる可能性は僅かに25%しかない。トロルの寿命は100年(100+1d20)、もしくはそれ以上である。
<性格>
・トロルはその再生能力ゆえに、死に対する恐怖心を持ちあわせていない。そして猛烈な激怒と共に戦闘を行ない、敵に対して大きく手を振り上げ、一番近くにいる相手に対してかみつく。
・彼らは常に飢えており、いつもうろついている。そして常に危険な存在となる。彼らは空腹の時は獲物を得るまでは恐れることなく、飽くことなく戦い続ける。彼らは飽くことを知らない食欲と限られた知性を合わせ持っている。そのため獲物を追跡中のトロルは、逃走中の相手が食料を落とした場合、50%の確率で追跡を忘れてそれを食べ始める。もちろん、食欲が満たさなければ(そして殆どはそうである)再び獲物の臭いを追いかけるであろう。彼らは自分達の慣習から、敵の死体を八つ裂きにしてしまう。
<生活様式>
・トロルは日光を嫌い、暗く湿気のある場所を好む。巣は通常洞窟に設けられ、望まざる来客を防ぐため、入口は巨大な岩で塞がれる。巣の内部には数ヶ所の、わらで作られた粗雑な寝床があり、そこには過去の犠牲者の貴重品や骨が散らかっている。その地域に洞窟は存在しない場合、彼らはトロルホールと呼ばれる穴を掘り、入口を小枝や落ち葉で隠す。トロルホールは、普通木の側に作られ、90%の確率で発見できない。トロルホールの上に乗ってしまった不幸な犠牲者は、75%の確率で下のトロルホールの巣へ落下してしまう。
・トロルは3〜12体からなる小さな群れで生活しており、首長である最大のメスに率いられている。指揮権は戦闘によって決められているため、部族内の争いは後をたたない。トロルはよく戦った相手の四肢をもいでしまうが、再生能力のおかげでこの内紛が致命的なものになることはない。しかし、トロルには敗者の頭を戦場から遠くに投げ捨てるという慣習があるため殆どの敗者は座して新しい頭が生えてくるのをじっと待たなければならない。
・トロルの群れの首長であるための仕事は少ない。彼女は群れを毎晩の狩りに誘い、先に立ってぴょんぴょん走り、獲物の臭いを見つけるために空気を嗅がなければならない。臭いが確かめられたらトロルは下生えをひきちぎり、岩の下を跳び越え一番のりを競うのである。獲物を発見したトロルは大きな歓喜の叫びを上げ、仲間に知らせる。狩りの責任者となる代わりに、メスのトロルは群れの中から自分の相手を選ぶ権利を得る。メスは大体5年に1体の割合で子供を産む。
・一部のトロルの群れは、高い知性を持つメスのトロルに率いられている。このようなトロルの群れは待ち伏せを多用し、人間やデミヒューマンを熟考してから攻撃する強敵となる。このように知的なメスのトロルに率いられた群れは、強力なイビルの生物(オグルやイビルウィザードなど)と同盟を結んだり、逆に弱い生物(ゴブリンやコボルドなど)を服従させて自身の邪悪な目的にいそしむこともある。
・トロルの群れは同じ洞窟やトロルホールを住居として使い続け、その地域の獲物が充分な間は狩りを続ける。住みかはよく、人間の村や通行量の多い街道に作られるが、決して近過ぎはしない。トロルですら火を持った人間やデミヒューマンの組織的な抵抗は恐れているのである。新しい住居を探してさまよっているトロルは、夜に旅をして昼間に眠る。こういったトロルは旅の疲れからくる空腹のあまり、頻繁に人間やデミヒューマンの村を襲い、村全体をたいらげてしまう。
<道具・技術・武器>
・トロルは飽くことを知らない食欲を持っており、単なるイモムシから人間、ヒューマノイドなど何でも食べてしまう。彼らは最強の存在(ドラゴン)を除いた全ての生物を獲物としており、時には屍肉でさえも食べてしまう。
・病的なまでに緑色をしているトロルの血は解毒薬とヒーリングポーションの原料となるため、アルケミストに求められている。1体のトロルからはポーション3本分の血液を採取できる。トロル1体分の血液には400stl分以上の価値がある。彼ら自身は何ら技術も持たなければ、何らの産物も作り出さない。
◎PCトロル
・PCトロルは他のヒューマノイドの番人代わりに、兵士として使役されている者や、独りでさまよっている者、部族内の戦いで敗れて捨てていかれた者などである。PC作製時にStrに+2、IntとWisに-2、Chaに-3の修正。能力値は以下。
Min Max
Str 13 19
Int 2 10
Wis 2 10
Dex 9 18
Con 8 18
Cha 2 7
・基本ACは4、移動速度は12″、一般的アラインメントはCe、スターティングエージは15+1d4才。トロルはLサイズモンスターとしてダメージを受ける。彼らはレベルアップの際、通常の2倍のXPを要する。スタート時+6HPのボーナス(平均6+6HDのため)、可能クラスは以下。
最高レベル(※)
ファイター・・・・・・・・・・・・・・・・9
バーバリアン・・・・・・・・・・・・・・・6
H・O・S・・・・・・・・・・・・・・・・7
(※)長所能力値によるレベルボーナス有り。トロルプリーストはオグルと同じヌンムラを信奉する。プリーストは大半がメスである。
・トロルは強力な再生力を有している。最初に傷つけられてから3R後に、このリジェネレーションがスタートする。これは1Rに3HPの割合で、完全回復するまで続く。この能力は0HP以下になっても機能するが、火や酸のダメージに対してはリジェネレーションは出来ない。
・トロルは武器を持たない場合、爪とかみつきによりそれぞれ1-4/1-4/1-8のダメージを与える。彼らは複数の相手にこの攻撃を分散できる。相手が鋭利な武器を使用している場合、To Hitで20の目が出たらトロルの細い四肢は切り落とされる。切り落とされた体の部分部分はその後も独自に戦い続ける。(腕は爪で、頭はかみつきで)四肢に対する攻撃は、通常にTo Hitを行なう。各部分は戦闘が終了するまで戦い、その後は直ちに本来の元に戻って再結合する。体に24時間以内に到達できなかった部分は死亡するが、トロルは1週間で失われた部分(頭を含む)を完全に再生できるため、さして問題はない。ただし頭部のない状態では一切の行動はできない。もし体をばらばらにされてばらまかれた場合、最大の破片のみが生き延びて再生し、その他の部分はこの最大の破片に再結合しない限り死滅する。
・トロルは石を投げて攻撃することがある。レンジは5′/10′/20′で、命中すると1d8HPのダメージ。石の重さ10〜20ポンドで、SFその他はグレネードと同様に扱う。トロルは90′のインフラブジョンと、鋭敏な嗅覚を有する。
トゥーヘデッドトロル 「Two-Headed Troll」
<外見>
・このトロルとエティンの混血と言われる生物は通常のトロルよりやや大きく、その名の通り2つの頭を持っている。身長は、10′以上(120+1d12インチ)、体重600ポンドぐらい(550+3d20)で、トロルよりも筋肉質な外見をしている。顔はトロルそっくりであるが、皮膚の色は汚れた緑褐色であり、エティン同様に動物の毛皮やあるいは蛾に喰われたぼろを身に着けている。彼らはトロルよりも大きな耳を持ち、人間並の聴覚を有する。
・トゥーヘデッドトロルは通常のトロルと異なり、しっかりと直立して歩行する。エティンと異なりきき腕はなく、2つの頭のうち支配権は特に定まっていないが、右側の頭が右半身、左側が左半身をコントロールしている。かみつきと爪の攻撃はそれぞれ別々の敵に分散できる。彼らはトロル言葉を言語として用いる。彼らの寿命は55年前後(50+1d12)である。
<性格>
・彼らは獰猛で常に飢えている。殆どの出会った生物に対し、それを食べるために攻撃を行なう。彼らもトロル同様、再生能力を有しているため死への恐怖心を持っていない。そして恐れることなく敵を攻撃する。
・両親が低い知性しか持ち合わせていないにも関わらず、トゥーヘデッドトロルは人間並の知能を有しており、相手を待ち伏せしたり、仲間からはぐれた冒険者を襲うといった比較的知的な攻撃を行なう。やはりトロル同様に火と酸に弱いため、雨天や強風時のように、火などが使用できない時を集中的に狙ったり、あるいは敵を沼地に引きずり込んでゆっくりと料理したりする。
<生活様式>
・彼らは主に亜寒帯の山岳地帯や沼地など、湿度の高い場所に住む。ねぐらは洞窟などを利用し、1〜3人のごく小さな集団を作る。彼らは両親と異なり昼も夜も活動し、常に獲物を探している。時にトロルと一緒に見られることがあるが、その場合はトロルのリーダーとして彼らを率い、人間の村や牧場などを襲撃する。トゥーヘデッドトロルは雑種のためか生殖能力は無く、一代限りで死んでまう。原因は不明だが、トゥーヘデッドトロルにはオスの個体しか見られずメスのトゥーヘデッドトロルが目撃されたという事例は未だない。
<道具・技術・武器>
・トゥーヘデッドトロルはヘビ、トカゲ、哺乳類、ヒューマノイド、人間などを食べている。彼らは何ら有用なものを産しない。トゥーヘデッドトロルの血液は“エリクサーオブ
ヘルス”の原料となる
。
◎PCトゥーヘデッドトロル
・PCトゥーヘデッドトロルはイビルウィザードの番人役をしていたり、悪の軍団の兵士などとし見られる。PC作製時Strに+2、Chaに-3の修正。能力値は以下。
Min Max
Str 16 20
Int 3 12
Wis 3 12
Dex 3 16
Con 9 18
Cha 2 8
・基本ACは4、移動速度は12″、一般アラインメントはCe、スターティングエージは、10+1d4、彼らはLサイズモンスターとしてダメージを受ける。レベルアップの際、通常の2倍のXPを要する。彼らはスタート時+10HPのボーナス。(平均10HDのため)可能クラスは以下。
最高レベル
(長所能力値によるレベルボーナスなし)
ファイター、バンディット・・・・・・・・・9
H・O・S・・・・・・・・・・・・・・・・7
・トゥーヘデッドトロルは10%の確率でしか不意を打たれない。武器を持たない場合、かみつきと爪で1-10/1-10/1-6/1-6のダメージを与える。この攻撃は複数の相手に分散できるが、かみつきは同一目標に向けられねばならない。彼らはトロル同様、毎R1HPのリジェネレーションをできるが、切り落とされた四肢は再結合しない。また、トロルと異なり20の目が出ても四肢は切断されない。彼らは60′のインフラビジョンを持つ。
ジャイアントトロル 「Giant Troll」
<外見>
・ジャイアントトロルは大型のトロルである。外見的にはトロルに似るが、四肢は太くて筋肉質で、首は太長く、全体にずんぐりした体型をしている。肌は赤褐色で目は赤い。太鼓腹の姿にも関わらず、非常に彼らは力が強い。身長は10′以上(男114+1d12インチ、女120+1d12インチ)で、通常のトロルよりも頭1つ分大きい。体重は700ポンド前後(男650+6d10、女675+6d10)で、トロルとしてはかなり重く、オグルの体型に近い。手指は4本、足指は3本で他のトロルと同じだが、爪は鋭くない。また歯は牙状ではない。これらの諸特徴からジャイアントトロルは、オグルとトロルの中間的種族と考えられている。彼らは粗末な毛皮を身にまとい、必ず巨大なスパイク付きのクラブを携行している。寿命は90年ぐらい(80+1d20)である。
<性格>
・彼らは粗暴な生物で、常に飢え、怒っている。Mサイズ以下の生物を手でつかみ、近くの木に投げつけたり、他の生物にぶつけたりする。またこういった生物をつかんで振り回しクラブのように使用したりもする。彼らにとって戦闘は食料を得る目的と、暴れてストレスを発散する役割を兼ねており、オグル同様に破壊し過ぎてしまう。彼らは熟考したり、衝動を抑制したりは出来ないため、兵士としては扱いづらい面がある。
<生活様式>
・彼らは亜寒帯〜温帯の山岳の丘陵地帯などに住んでいる。昼夜を問わず獲物を求めて狩りに出かける。彼らの住んでいる所はすぐにわかる。何故なら彼らは通った場所にある木や建物、その他目につく物を片っ端からその巨大なクラブで破壊していくからである。狩りの途中で叫び声をあげながら周囲の岩や木を叩きつけている彼らに、よく出くわすことがある。彼らはトロル言葉を使用する。
・彼らは1d12名の少数の部隊で暮らしており、常に一族で揃って狩りに出る。一人でうろついているジャイアントトロルに出会うことは稀である。彼らの部隊には明確なリーダーは存在せず、統率のとれないまま群れでうろつきながら、てんでに勝手に暴れ回り、獲物が見つかると全員で攻撃を行ない、それを奪いあう。
・彼らはトロル同様に再生能力を有しているため、殆ど死を恐れない。そしてどんな相手にでも無謀に向かっていく。彼らが恐れるのはドラゴンや、親族のジャイアントオグルぐらいのものである。彼らは1d4年に1回、1人の子供を産む。
<道具・技術・武器>
・彼らは動物、ヒューマノイド、人間を主に食しているが、特に人間は好物である。彼らは何ら有用な物を産しない。彼らの血はトロル同様、ヒーリングポーションの原料となる。彼らは時に、ジャイアントオグルと行動を共にする。そこでは有能な番人代わりに用いられている。また逆に
トロルにそのような使役をしている。
◎PCジャイアントトロル
・PCジャイアントトロルは極めて稀な存在である。主にイビルウィザードの番人などに用いられている。キャラクター作製時Strに+3、Int、Wis、Chaに-3の修正。能力値は以下。
Min Max
Str 17 21
Int 2 8
Wis 2 9
Dex 3 10
Con 8 18
Cha 2 7
・基本ACは4、移動速度は12″、一般アラインメントはCe、スターティングエージは、12+1d4、彼らはLサイズモンスターとしてダメージを受ける。レベルアップの際、通常の2倍のXPを要する。彼らはスタート時+8HPのボーナス。(平均8HDのため)可能クラスは以下。
最高レベル
(長所能力値によるレベルボーナスなし)
ファイター・・・・・・・・・・・・・・・・9
H・O・S・・・・・・・・・・・・・・・・3
・ジャイアントトロルは鋭い嗅覚と90′のインフラビジョンを持つ。彼らは1Rに2HPずつリジェネレーションするが、切れた四肢は再結合しない。武器を持たない場合、パンチで1d6+1HPのダメージを与える。彼らはまた岩投げにより2d6HPダメージを与える。この岩は直径約2′、重さ約70ポンドで、2″/4″/6″のレンジを持つ。また彼らは25%の確率でミサイルウェポンをキャッチできる。
スノウトロル 「Snow Troll」
<外見>
・スノウトロルは高山や極地に住むトロルである。外見的にはトロルそっくりであるが全体に小型で、やや筋肉質である。肌は全身白色〜青白色で、髪状物質は灰白色である。彼らは体の大部分を白く長い毛で覆われている。目は無色半透明である。スノウトロルの大きく幅広く毛に覆われた足は、雪原や氷上を素早く移動するのに役立つ。また強力な腕と爪は、ノーマルトロル同様に氷壁をよじ登るのに役立つ。
・スノウトロルは身長約8′(男86+2d12インチ、女90+2d12インチ)、体重300ポンドぐらい(男250+6d10、女280+6d10)で、女の方がやや大きい一部のスノウトロルはわずかなコモンを話せるが、大部分の者は独自の甲高い歌のような言語のみを話す。彼らの言語は獲物に関する単語20語ぐらいで構成される。彼らの命令は120年ぐらい(90 +3d20)である。
<性格>
・スノウトロルは極めて恐ろしい敵である。彼らは死ぬまで戦闘を続ける。彼らは排他的な種族で、他の種族と協力することはない。彼らは、恐れることなく単独で人間の村を襲ったりもするが、待ち伏せも多用する。彼らは知性は低いが狡猾で、倒すことはたやすくない。スノウトロル自身は食欲を満たすことを常に考えており、始原的生存のための欲求の他に、殆ど欲求を持たない。従って宝物やその他を用いての交渉は全く受けつけない。彼らにとって同族以外の生物は全て、餌として見なされる。
<生活様式>
・スノウトロルは獲物を捕えるために、人や動物の通り道のそばの洞穴やそれに似た場所に潜み、入口を雪や岩で隠す。そしてこの隠れ家の外の雪の表面温度のわずかな変化と岩や土を通して伝わる震動、さらにその強力な嗅覚を用いて獲物を察知する。こうして獲物が巣穴の入口を通るの
をじっと待ち、突然外へ飛び出して相手の不意を突き、鋭い爪で襲いかかる。彼らはこの方法で60%の確率で相手の不意を打つことができる。またホームテリトリィ内では10%の確率でしか不意を打たれない。
・スノウトロルは独居性で、3年に1回の交尾期にだけ自分のテリトリィを離れる。3年に1回、冬至の頃の真夜中に、数十から数百のスノウトロルが、他の生物に知られていない暗黒の山の谷間に集う。交尾がすむと雄は間もなく去り、一頭の子供が産まれる。2匹いる場合は常に、母親とその子供だけである。
・スノウトロルの爪のついた手は、氷壁、雪山、氷山などを登るのに役立つ。雌のスノウトロルは氷山や高所で子を産み育てる。子供は1年で成体と同じ大きさに成長する。この若いスノウトロルは最も危険な存在と評される。何故なら大人の2倍の量の獲物を食べるためである。生後3年すると生殖能力を有するようになる。
<道具・技術・武器>
・スノウトロルは貧欲な捕食者であるが、近縁のノーマルトロルと異なり単に獲物を追うだけでなく、相手が攻撃範囲に接近するのを辛抱する忍耐力も持ち合わせている。彼らは数百平方マイルに及ぶテリトリィを持ち、それを維持するためと食料のため、アイスベアー、アイスフォーク、その他の生物を殺害する。彼らにとって人間もそれ以外の生物も、全て同等の味として扱われる。スノウトロルの唯一の天敵はホワイトドラゴンだけである。またサノイはテリトリィ争いが続いている敵である。スノウトロルは主に夜に活動する。
◎PCスノウトロル
・PCスノウトロルは子供の時から人間、その他のヒューマノイドに育てられた存在である。キャラクター作製時Strに+2、IntとChaに-2の修正。能力値は以下。
Min Max
Str 15 19
Int 3 12
Wis 3 15
Dex 9 18
Con 9 18
Cha 2 9
・基本ACは4、移動速度は9″、一般アラインメントはCe、スターティングエージは、1d3才、彼らはLサイズモンスターとしてダメージを受ける。レベルアップの際、通常の2倍のXPを要する。彼らはスタート時+7HPのボーナス。(7HDのため)可能クラスは以下。
最高レベル
(長所能力値によるレベルボーナスなし)
ファイター・・・・・・・・・・・・・・・・9
バーバリアン・・・・・・・・・・・・・・・7
・彼らは武器を持たない場合爪で1d8/1d8のダメージを与える。これは別々の敵に振り分けられる。彼らはかみつきは用いない。彼らはコールド系の攻撃に対しSTに成功すればノーダメージ、失敗しても半分のダメージ。代わりに火に対しては倍のダメージを受ける。彼らはトロル同様、1Rに3HPずつリジェネレーションする。彼らは80%の確率でクライムウォールが出来、65%の確率でムーブサイレントリィを行なえる。彼らは90′のインフラビジョンを有す。
<外見>
・メロウは水棲のオグルで、川や湖などに住んでいる。緑色の肌、鱗と水かきのついた四肢を持つ。首は太く長く、肩はなだらかである。巨大な口と厚い唇を持ち、下あごは突き出て、やや受け口になっている。歯は黒くて鋭く、かみそりのようである。眼瞼はやや落ちくぼんでおり、目は深緑色で瞳は白い。耳はひれ状になっており、鼻は低く鼻孔だけが目立つ。えらはあごの下にある。爪は黒く鋭い。髪は緑色で細く、藻のようである。腕と背中にはひれがついている。彼らのうち10%(特に強力な男)には象牙状の一対の角が生えている。
・メロウは身長9′(男90+2d12、女86+2d12)体重300ポンドぐらい(男280+4d20、女260+4d20)である。彼らは極めて入れ墨を好み、女の中には地位を表わすものとして全身に死と破壊を示す印を彫った者も存在する。メロウは独特のなまった言語と、その他にオグル語を話す。寿命は150年ぐらい(90+1d100)と言われている。
<性格>
・メロウは獰猛で攻撃的な存在である。彼らは接近戦を好み、スピアで刺して相手を弱らせた後、爪と牙により攻撃する。彼らは例え命乞いをしても容赦なく、というよりもむしろ喜んで相手を殺す。彼らは血を見ると興奮し、自分が傷つけられた場合でも相手を傷つけた場合でも、それを機に狂ったように殺戮を行なう。しかし彼らは決して愚かな訳ではなく、通常は隠れて敵の不意を突き、襲いかかる。
・メロウは金や装飾品を好み、きらきら光る宝の捜索に夢中になるあまり、一見すると目立たないようなマジックアイテムをよく見逃すことがある。彼らは万事においてやり過ぎる傾向があり、狩りの際にも必要以上に獲物を取ったり、宝の略奪のための船を襲撃したのに船を破壊して沈めてしまい宝物を失ったりする。彼らはテリトリィ内の生物を全て殺し、喰い尽くしてしまうため、水棲動物の枯渇を招くことになる。
<生活様式>
・メロウは寒帯から熱帯にかけての淡水域に住む。彼らは洞窟をねぐらにし生活している。彼らは1日に2時間までなら陸上でも活動できるため、頻繁に陸上へも略奪に出向く。彼らのテリトリィは半径10〜15マイルほどで、この中で狩りを行なう。獲物が減少したり、宝物を欲する際に、略奪隊が陸上の人間の村を襲いに出かける。彼らは昼も夜も活動するが、陸上への襲撃は主に夜行なわれる。そして家畜や子供を頻繁にさらってくる。また、橋の下や渡し船の近くで待ち伏せ、通行人を襲ったりもする。
・彼らはまた、宝石や金品を水辺の目につく所において、誰かが見つけて取りにくるのを待ちうけたり、船の水路を木などの障害物で塞いで追いつめたりする。腹が満たされている場合、宝物などの供出による助命に応じることがある。(もちろん、皆殺しにして宝を奪う方が多い)
・典型的なメロウの部隊は1名の族長、2名の副長、2〜24名の成人男子、それと同数の成人女子、1〜12名の子供、そして1〜2名のプリーストで構成される。彼らに決まった婚姻関係はなく、男女ともに複数の相手と交尾を行なう。子供は部族内で共同で育てられる。メロウには性差による役割分担はなく、狩りも男女ともに参加する。
・異なる部族のメロウは敵と見なされる。もしもテリトリィ内へ侵入した場合は、直ちに攻撃を加えられる。しかし通常は相手部隊を全滅させるような戦闘にはならない。ただしこれは餌が充分にある場合で、もしこれが欠乏したら互いにどちらかが全滅するまでの戦争に発展する。
<宗教>
・彼らは独自の神、アラカロフ「Arakarof」を信奉する。アラカロフはせむしの年老いた男のヒューマノイドの姿をしており、えらと緑の肌、そして鱗を持つ。腹面は緑色で背面は黄色をしており、ぼろぼろの黒いローブをまとっている。彼は左脚を引きずって歩き、その足は水晶となっている。目はグリーンでやや光っており、爪のついた手で枝をつかんでいる。彼は時にジャイアントオクトパスの姿でも現われる。アラカロフのシンボルは彼の左足の足跡、プリーストのアラインメントは各イビル、呪文領域はオール、アニマル(マイナー)、チャーム(マイナー)、コンバット、ディビネーション、エレメンタル(アース&ウォーター)、ヒーリング、サモーニング(マイナー)、ステラー、ウォー。彼らはアンデッドにコマンドを行なえる。武器の制限はない。アラカロフの星は惑星のため見つけることはできない。
<道具・技術・武器>
・メロウは略奪と殺人以外の技能を持ち合わせていない。彼らの生息が知られている淡水の湖や川を、漁師や水夫は避ける。彼らは時にジャイアントパイクなどの魚を番犬代わりに飼っていることがある。
・彼らはP(ピアーシング)タイプの武器を好んで使用する。また稀にシールドを用いることもある。彼らは何ら有用な産物を持たない。時に河川などに関所を設け、通行税として莫大な金や供物を要求したりすることがある。
・メロウはより強力で邪悪な存在に、特殊部隊として傭われることがある。また部族が全滅して孤立した存在になりPCとなる場合もある。PCメロウはカオティックで、ニュートラルかイビルな傾向がある。キャラクター作製時Strに+2、IntとChaに-2の修正。能力値は以下の通り。
Min Max
Str 8-19
Int 3-15
Wis 3-16
Dex 3-18
Con 3-18
Cha 3-12
・基本ACは4、移動速度は地上6″、水中では12″(MC:A)、一般アラインメントはCe、スターティングエージは、12+1d4、彼らはLサイズモンスターとしてダメージを受ける。彼らはスタート時+4HPのボーナス。(4+4HDのため)可能クラスは以下。
最高レベル(※)
ファイター・・・・・・・・・・・・・・・・11
H・O・S・・・・・・・・・・・・・・・・9
(※)長所能力値によるレベルボーナス有り(15で+1レベル、16〜17で+2レベル、18+〜で+3レベル)
・彼らはその体色を利用して10〜80%の確率でカモフラージュできる。カモフラージュに成功した場合、70%の確率で敵の不意を打つことができる。彼らは武器を持たない場合、爪とかみつきでそれぞれ1-6/1-6/2-8のダメージを与える。彼らは60′のインフラビジョンを持つ。
・これは乾燥した粘土の球の中に弱毒性の尖ったトゲを埋め込んだ物で、命中すると1-2HPのダメージを与え、さらに犠牲者は対毒STを行ない、失敗するとトゲの毒で1d4HPの追加のダメージを受ける。この毒は植物性である。
・これは木製の巨大なクラブで、通常の物の3倍近い大きさである。主に木をそのまま引っこ抜いたり、家屋の破壊した物、あるいは材木用の丸太などをそのまま用いていることが多い。これはジャイアントオグルの最も一般的な武器である。
・これは人間用のフットマンズメイスをそのまま巨大にした物である。柄は木製で長さ5′、頭の部分は鉄で出来ており、スパイクが付いている。これは片手で用いる。
・これは恐ろしく巨大なソードである。このソードの一撃を受けた者は、必ずクラッシングブロウの物品STを行なう。大きく重たいために、SFは非常に遅く、大抵はRの最後に攻撃を行なうことになる。当然ながらこのような武器は珍しく、入手も困難なため、軍の兵士のジャイアントオグル以外にこの武器を保有している者は稀である。
・これは粗雑な作りの棍棒である。この武器はモーニングスターと同等の威力を持つ。頭の部分にはスパイクが付けられていることもある。オグルは主にこの武器を用いる。
・これは長さ約10′〜12′の長大なスピアである。先端は鋭い石製で、普通のスピアよりも幅広くなっている。柄は硬い木で出来ている。これは両手で持って使用される。このスピアは投げて使用することは出来ない。メロウはこれの使用時、To Hitに+1のボーナス。
・これは長さ7′〜8′の木製の棒で、上半分は鉄の帯鋼でぐるりと巻かれ補強されている。この部分にさらに鋲が付いている場合もある。これは時に旅行者の歩行時の杖として利用される。両手で持って使用される。
・これは長大な木の丸太や家屋の材木の先端に、巨大な石製のスパイクを取り付けた物である。これは一見すると石製のバトルアックスに似た外観を呈する。この大きく重い武器は両手で持って使用する。ジャイアントトロルは主にこの武器を使用し、素手で戦うことは滅多にない。この武器は非常に巨大なため、ジャイアントトロル以外には、トゥーヘデッドトロルかジャイアントオグルしか用いることが出来ない。エティンはこのような両手用の武器は上手く扱えない。またトゥーヘデッドトロルはこの武器の使用に際し、To Hitに-2のペナルティを負う。
・これはグレイブによく似たポールアームである。柄は硬い木製で長さ6′〜8′、その先にややカーブしたソードに似た刃が付いている。時に両端に刃が付いたタイプも見られる。この武器は主に東洋で用いられている。
・これは中空の卵(主に孵化後の卵を探して用いる)の中に各種の薬草と自然毒を調合したものである。これは何かにぶつかって破裂すると半径10′に影響する。この中身にはスリープパウダー(対毒ST失敗で“スリープ”呪文と同じ効果)、パラリシスパウダー(対麻痺ST失敗で2d4Rの麻痺)、ブラインドネスパウダー(対毒ST失敗で2d4Rの盲目状態)の3種類が挙げられる。このパウダーボムは命中しても直接的なダメージは与えない。イローダは自分の武器を進退極まった時にのみ用いる。
・これは通常のクラブと同じくらいの大きさだが、石で出来ている。多くは天然の石で比較的細長い物を、殆ど加工せずに使用している。特にオグルやトロルが好んでこの武器を用いる。
・ストーンダガーは主に硬い火打ち石で出来ている。これを目的の形になるまで削り、通常は幅広い葉のような形に仕上げる。これに木の握り部を縛り付けて完成である。ただしこのタイプのストーンダガーは、その握りの部分と刃のつなぎの部分が破損しやすいため、1個の石で刃と柄を兼ねるように作る場合もある。このタイプのストーンダガーは、握り部を革でくるんで握りやすくしている。これは原始的な武器である。
・これは先端部分が石で出来ている以外に普通のジャベリンと差はない。これは投げて用いるのに適した形状になっており、(2″/4″/6″)のレンジを持つ。上記の()内のダメージは両手で用いた場合のものである。もちろん、投げて使用する時には片手のダメージとなる。
・これは通常のスピアーと全く同じだが、ヘッドの部分が石で出来ている。スピアーは投げても手に持っても使用できる。()内は両手で用いた時のダメージである。もしチャージしてくる敵に対しセットすると、命中した場合に2倍のダメージを与える。
・これは長さ4′のつるの両端に鉤形の石のおもりの付いたもので、1体の相手をからませることができる。最高で25′の距離から投げることができ、命中すると1d4HPのダメージを与える。さらに相手は-2のペナルティでDexチェックを行ない、成功すれば振りほどけるが、失敗すると足にからまれて転倒してしまう。もし腕にからまった場合は、武器やシールド等の手持ちの物品を取られてしまう。胴体にからまれた場合は身動きが取れなくなる。いずれの場合もStrチェックで成功すれば自由になれる。これは毎Rチェックを行なう。ボーラは人間サイズ以下の者にしか、このエンタングルの効果を発揮できない。