ゴブリン本の内容を特別掲載 


ゴブリン本のうち、ゴブリンとホブゴブリンのセクションを載せました。



ゴブリンというとどのような印象を持つでしょうか?おそらくは駆け出しの冒険者たちにとっての経験(値)稼ぎの相手であり、熟練の冒険者にとっての雑魚といったものでしょう。しかし、そんな彼らも彼らなりに一生懸命やっているのです。 今回はそんな愛すべき(?)彼らにスポットを当ててみます。


 とはいってもこれはすべてのゲームに汎用で使えるわけではない。うちのサークルで行っているドラゴンランスワールドでの話なのだ。このワールドの設定は非常にユニークなのだが、ゴブリンについても例外ではない。その設定の奇抜さに悪のりしたスタッフはさらに奇抜な設定を追加したのである。つまるところ、今回の特集は英語版の翻訳そのままではない独自のものなのである。だから、あなたの使用しているシステムが何であろうと、ゴブリン族が登場するんだったら必ずや参考になるであろう!(と思いたい)。 もっとも、そんな堅苦しい用途に使うよりも、読んで楽しんでもらうほうが重要なんですけどね・・。

そういうわけで、ゴブリン特集の始まり始まりい。

・・・というわけで、まずはドラゴンランスのクリンワールドのヒューマノイド種族について簡単に解説しましょう。クリンワールドには、大きく分けて3種類のヒューマノイド種族があります。それはヒューマン、エルフ、オーガーです。まず神々が最初に創ったのがオーガー族です。彼らは美しく、力強い種族でしたが、悪の道に染まり、ごく一部の者たちを除き堕落していきました。次に創られたのがエルフ族で、彼らは善の道から踏み外す者はほとんどいませんでしたが、あまりにも保守的かつ排他的であり、世界の活力とは成り得ませんでした。最後に創られたのがヒューマン族でした。彼らは自由意志を持ち、活動的でまさに世界に活力を与えるにふさわしい種族となったのです。 3種族が出揃ってからしばらくすると、各種族の内部でも様々な個性が分化していきました。とくに鍛冶の神レオルクスを信奉していた人間の一族はテクノロジーに対して異常なまでのこだわりを持ちはじめました。レオルクスは彼らのこだわりが目先だけのほんの些細なことにばかり向けられていることを知り、彼らの姿をその性格にふさわしいものに変えてしまいました。ノーム族の誕生です。このときに使われ たのがガルガスのグレイストーンというものでした。 その後、ひょんなことからこのグレイストーンはクリンの世界に落下し、様々な第2世代の種族を誕生させたのです。話が長くなりましたが、このグレイストーンによってオーガーから誕生したのがゴブリン一族なのです。

ゴブリン(Goblin)族総論


[外見]・ゴブリン族は、グレイストーンによりオーガーから派生した種族である。彼らは人間の顔を邪悪に醜くカリカチュアしたようで、丁度、ヒトとサルの中間のような顔つきをしている。身長は約3’のタスロイから7’のバグベアーまで、体重も40ポンドから300ポンドまでと幅広い。全般的に見て、小型の種族は不格好な、大型の種族はがっしりとした体型をしている。・彼らの寿命は幅広く、ゴブリンの50年程度からコボルドの135年ぐらいまで、ほぼ人間の寿命に近いようである。彼らは皆、独自の文化と特有の言語を発達させている。

[性格]
・ゴブリンは全く不愉快で残酷な生物である。もちろん中にはイビルでないゴブリンや充分に知的な者もいるが、こういった例は特別なものである。殆どのゴブリンは名誉などとは無縁な人でなしで、殺し、食い、眠ることのみを欲しており、まるで通り過ぎる毒ガスのようなものである。

虐殺者):彼らの生活信条とは「殺せ、殺せ、殺し尽くせ」である。全てのゴブリン族は名誉や正義とは無縁の邪悪なファイターである。そして彼らはどんな物でも武器として使うことを厭わない。そればかりか、その物がたとえどんなに危険であっても試してみるだろう。彼らは戦闘を得意満面で楽しみ、他者の恐怖や憶病を認めない。そのくせ自分達が撤退するときは非常にもっともらしい理由をつけたがる。他者に厳しく、自分に甘いのは彼らの特徴である。(特にホブゴブリンにこの傾向が顕著である。)

卑俗性):戦闘中は獰猛だが、普段の彼らは世界一のごますり屋で、媚びへつらい、おべっかを使い、そして愚痴をこぼす。また赤面するようなお世辞を言い、無意識的に責任転嫁を行う。上位の者(ゴブリンに対するホブゴブリンや同族の上位の者など)はこの処遇を期待し、下位の者に威張り散らして弱い者いじめをする。上位の者はさらに上位の者に同じように遇し、遇される。もちろんこれは、彼らの心の中に存在する裏切り、背信、謀殺といった考えをカバーするための行為なのは言うまでもない。

近視眼的):集団としては彼らは稀に、次の食事、戦闘、略奪を超えて物事をとらえることがある。これは軍戦としての必然性により、イビルのリーダーによって特に訓練や指揮されている場合である。幸いなことに、文明化された地への長期の従軍を実行するための能力の限界により、ゴブリン族を用いての計画にはおのずと限界がある。ゴブリンは攻撃的ではあるが、長期に及ぶ攻城戦や行軍には耐えることができないのである。

力の信奉):ゴブリン族は力を信奉している。当然のことながら、彼らのリーダーは最も強く、メンバーの中で最も畏怖される者がなる。別々の氏族を同じ軍に併合するのは殆ど不可能である。なぜなら他の氏族のゴブリンは、エルフにも等しい扱いを受けるからである。

不名誉):ゴブリン族は恥を知らず、平気で嘘をつき、他人をだまし、欲しい物を盗む。彼らに強制できる地位にいる者でない限り、契約によって彼らを拘束することはできない。これはゴブリンが協力をしないとか、常に盗みを行っているとかいう意味では決してない。協力せねばならない時やそうすることが大事なときは、盗みを行うのは見つからないことが確実な場合、もしくは上手くやりおおせる自信がある場合のみである。

[歴史]
・ゴブリンの国家は人間の帝国やエルフの魔法、ドワーフの鋳造やノームのテクノロジー、あるいはケンダーの放浪のどれとも調和しない。ゴブリンはしかし比類なき略奪者であり、他者から奪い去る力を有している。彼らは盗むことで満足を得る。なぜなら彼らはアンサロン大陸においては貧しい種族であると感じているからである。とはいえ彼らもまた、他の種族と同様に魂や精神の輝きを有している。しかし彼らはそういった認識(つまり他種族とも互いに理解し合えるという事実)をまだ有していない。彼らは次の食事を得ることの幸運にのみ頭がいってしまい、文明の勝利は彼らにとって遥か彼方の存在である。彼らの歴史は長く複雑な暴力の繰り返しであったのである。

・クリン世界にはオークは存在しない。全てのゴブリン族はオーガーの親族で、グレイストーンの力により、彼らの精神構造に相応しく、小型でねじくれた外観に変化したのである。長年彼らは文明圏の周辺で略奪者として過ごし、それと同数程度の者が滅亡した国家の掃除屋として過ごしてきた。大変動は多くの国家を滅亡させ、彼らにとっての実りの大地を提供することになった。いくつかのゴブリンシャーマンは、自分達の時代が来たと伝道して回った。・最近、ゴブリン族はドラゴン卿の指揮の元、繁栄している。また、特に少数の飛び抜けたゴブリンのリーダーも登場している。フューマスター・トードはそういったホブゴブリンの一人で、従者から熱狂的に支持されている。だが噂ではトード長官はランス戦争のさなかにケンダーまたはドラゴンの手にかかって死んだと伝えられている。しかし彼が死んだという確たる証拠はない。なぜなら彼の配下の兵は彼同様な装飾的な衣服を着用するならわしになっており、彼によく似た外見をしている。そのため彼に雇われた刺客のうちの誰かが彼の代わりに殺された可能性も充分ある。

[生活様式]
・ゴブリンは部族を中心として社会を形成している。彼らはそこで生まれ、そして殆どがそこで死んでいく。若いゴブリンの高い死亡率は、大量の誕生とバランスがとれている。しかしながら彼らは、永く続いた近親婚の影響を被っており、奇形はざらである。異常な容貌やしみ等は幸運とみなされ、多くのシャーマンはこういった方法によりなる。他の欠陥、例えば盲や不具は戦うことができないため、幼いうちに野に捨てられる。そして風雨にさらされ殆どが死ぬ。成人でさえ弱者は生きることができない。強者は支配するが、その強さはいつまでも続くものではないのである。

・ゴブリン族の中での軍事的階級は、政治力と直接一致する。軍指令や将軍は王族や貴族である。例外はシャーマンやウィッチドクターのみで、彼らは社会的に尊敬されてはいるが、彼らが兵や遊撃隊に直接命令を下すことは稀である。・殆どのゴブリン部隊は半遊牧民で、山賊の集団のようにあちこちさまよい、そこから奪い尽くすまで、あるいは自治軍が決起するまでその地に残る。ある少数部族は、以前の居住者から小さな村を奪取し、生活している。こういった村の支配が一か月以上長続きすることは稀ではあるが、それでもこのような「ゴブリンの街」は彼らの文化の中では最も高度なものなのである。

[宗教]
・彼らの中で最も著名な神は当然のことながら、暗黒の女王タキシスである。他にケモシュやヒドゥケルも比較的よく知られている神である。彼らにはシャーマンが昔から存在したが、プリーストの歴史は比較的新しい。またグッドやニュートラルの神を信奉するゴブリン族は極めて稀である。また、コアリンスやガクラーはゼボイムを信奉している。

[道具、技術、武器]
・ゴブリン族は生来のテクノロジーを有していない。彼らは武器や道具を作り出す基本的能力が欠如している。代わりに、欲しい物を漁ったり、それを得ることを奴隷に押しつけたりする。彼らが何かすることもあるが、それよりも彼らは仕事をストップさせることのほうに秀でている。しかし彼らも少数のオリジナルアイテムを作っており、いくつかの部族は戦闘に用いるための複雑な暗号を発達させたりもしている。ホーンとドラムは迅速かつ効果的に伝達でき、それらを保有する者は、各攻撃の際に隊が一致して行動できるようにこれで応答をする(同部隊の確認などもこの方法で行う)。

・ゴブリン族は入手できる各種の武器を使用する。ゴブリンのスミス(鍛冶屋)が造った物よりも分捕ってきた物を使うことの方が普通だからである。そのため彼らはしばしば、周囲の文化的種族と同種の武器を使う。

・ゴブリン族はまた、多種の危険で極めて残酷な独自の武器を使用する。これらの武器を使用中、命中判定ロールで無修正で1の目が出たら、相手の代わりに自分がダメージを負ってしまう。ただしその場合に受けるダメージは、その武器本来のダメージの半分で済む。

・ゴブリンとホブゴブリンはレザーアーマーか寄せ集めたアーマー(これには漁ってきたスプリントメイルやチェインメイルも含まれる)を着用していることが多い。そして普通はミドルサイズのウッデンシールド(木製のシールド)を持っている。バグベアーはアーマーなしかレザー、またはスタッドレザーアーマーが普通である。その他の種族は殆どがレザーアーマーを着用し、金属製アーマーの着用は稀である。

・ゴブリン族のゴボルド、タスロイ、ホブゴブリン、ザバートは雑食で、人間と同じ物を何でも食べる。他のゴブリン、バグベアー、スリッグ、クアゴスは肉食で、特に人間やエルフといったヒューマノイドの肉を好む。



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☆各種族の解説

ゴブリン(Goblin) 「Waste land Goblin」

[外見]
・ゴブリンは邪悪で小型のヒューマノイドである。身長は4‘(男は43 +1d10、女は41+1d10インチ)、体重は80ポンドぐらい(男は72+ 5d4、女は68+5d4ポンド)である。彼らは、平たい顔、広い鼻、とがった耳、広い口と小さい鋭い牙を持つ。直立して歩くが、それでも手が殆ど膝に届くくらい腕が長く、その逆に脚は短い(脚の長さは腕の長さの1/2〜4/3)。プロポーション的には大体4〜5頭身程度である。ほお骨は浮き出しており、眼窩は落ちくぼんでいて、その奥に明赤色〜輝黄色のくすんだ小さな目がある。肌は黄色からオレンジ、もしくはレンガ色から濃紅色まで変化に富んでいるが、普通同一部族は同一の色の肌である。衣服は暗色系でアースカラー(茶褐色、汚灰色、暗栗色など)を好んで着る。ゴブリンは耳障りな、人間より甲高い声で喋る。独自の言語に加えて、コモン、ホブゴブリン、コボルド、ザバートの言葉を話す者もいる。髪は殆どが縮れ毛で、色はオリーブ、茶、黒である。

[性格]
・ゴブリンは集団で行動するヒューマノイドで、自発的に考え行動する能力が欠けており、誰か強者に命令されないとてんでに勝手な行動をとり、まるで幼稚園児のような騒ぎである。一人になると落ち着かなくなり途方にくれ、場合によっては泣き出してしまう。彼らの中で冒険者になる者は非常に稀で、そういった者は当然、ゴブリン社会の中では異端者である。このような者は気がふれているとみなされ、しばしば親兄弟に殺されてしまう。ここで生き残った者は仲間から恐れられ、その社会から出ていかざるを得なくなる。PCゴブリンはこういった者が殆どである。彼らは故郷を離れ、名声と未来を手に入れるために世界へ一歩を踏み出すのである。

・ゴブリンは主体性がなく付和雷同で、他者が右と言えば右、左と言えば左に向かう。しかしよくあることだが、周囲に流されての行動は殆どの場合、非行となってしまう。彼らは自分が責任を負うことを非常に嫌い、誰それがやったから自分もやったのだと言い訳をしたがる。彼らは極めて憶病で、面と向かって相手と対峙することは避ける。ごく稀に勇敢な者もいるが、それは特別な例である。

・ゴブリンはその生活環境ゆえ、プライバシーという概念を持たない。また最も清潔なゴブリンでさえ、体から生じる悪臭を除去しないとトラブルとなるだろう。こういった点はPCゴブリンの仲間にとって充分に問題となるだろう。

[生活様式]
・ゴブリンは極地を除く地上のあらゆる場所に済んでいる。彼らは主に廃墟の周辺や薄暗い森、山地の洞窟や沼地などで暮らしている。彼らには公衆衛生といった観念はなく、彼らの住居には鼻をつく悪臭が漂っている。近親婚による奇形も数多くいる。部族は共同生活を営み、食べるためと寝るための広い共同空間を分けあっている。宝や財産は部族全体の共有財産に属するが、族長と副長がそれらを管理している(不正もあるが、それよりも彼らの大半が禁治産者であるのが最大の理由である)。個室を有しているのはリーダーのみである。

・ゴブリンの社会は男性上位で、女性は同等の地位を持たず、また戦闘も決して学ばない。彼女らの役割は男への奉仕と子供の世話である。女ゴブリンは平均して一生に5d6人の子供を産むが、成人するのはそのうち一割にも満たない。妊娠期間は約8か月、一回の出産で1〜3人を産む。彼らは12〜13年で成人する。交尾は周年である。

・各部族は正確に序列を有し、各ゴブリンは正確にその地位を知っている。ただしそれは、自分が誰の上で誰の下である、という程度の認識に過ぎず、その決定も身長の順とか年齢の順といった単純なものである場合が多い。社会階級を昇っていくのは戦闘による。彼らは地位を上げるために生涯を通して仲間同士で戦う。

・彼らは食事と肉体労働のために頻繁に奴隷をとる。これらの奴隷は常に拘束され、監視下におかれる。奴隷の種族は様々だが、部族全体の10 〜40%の数にのぼる。彼らは殆どのヒューマノイド、特にノームとドワーフを憎んでいる。

[道具・技術・武器]
・彼らの好む武器はハンドアックス、ミリタリイピック、モーニングスター、スリング、ショートソード、スピアーで、アーマーは通常はレザーだが、リーダークラスはチェインやプレートアーマーも着用する。主にウッデンシールドを装備する。またウォーグウルフを飼い慣らし、乗用に利用もする。

・彼らは食用のためと同じぐらい、無益な殺生を行う、彼らはネズミ、ヘビ、ヒト、他のヒューマノイドを主に食べている。食料が乏しいと腐肉ですら食べる。彼らの寿命は50年程度(40+1d20)である。

・ゴブリンが持つ一般技能(NWP)は以下のとおりである。 アラートネス、アニマルハンドリング、アニマルトレーニング(ウォーグ)、ベッキング、チャンティング、クローズクォーターファイティング、ファストトーキング、フォーチュンテリング、ハイディング、ハンティング、インフォメーションギャザリング、ルーティング、レリジョン、ライディング(ウォーグ)、セットスネアーなど。

◎PCゴブリン


・ゴブリンはさほど力が強くなく、体格も小柄で、特に能力的に優れている点はない。彼らは60’のインフラビジョンを持つ。キャラクター作成時にStr.とCha.に−1、Dex.に+1の修正。

  Min. Max.
Str. 3 17
Int. 3 18
Wis. 3 17
Dex. 5 18
Con. 3 18
Cha. 3 12

・ゴブリンの基本ACは10、移動速度は6”、一般的アラインメントはLE。スターティングエイジは12+1d6 。ゴブリンPCは5%の確率で何らかの奇形(障害)を持つ。例えば目が見えない、知恵遅れ、不具、 etc...である。これはDMが決定する。可能クラスと限界レベルは以下のとおり。

                   最高レベル*
ファイター                9
レンジャー、バンディット        7
ホーリーオーダーオブザスターズ  6
シーフ、スカウト            15
シャドウ(アサシン)          11

*長所能力によるボーナスあり(14〜15なら+1レベル、16〜17なら+2レベル18以上なら+3レベル)。



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ホブゴブリン(Hobgoblin) 「Civilized Goblin」

[外見]
・ホブゴブリンは人間サイズのゴブリンの一族である。身長は約6,5'(男は72+1d8 、女は68+1d8 インチ)、体重はおよそ240ポンド(男は150+5d10、女は130+5d10)ほどのたくましい体つきをしている。毛むくじゃらの体皮は暗赤色から暗灰色、額は斜めで鼻はひしゃげたようになっており、口は端が引きつったようで牙がある。目は黄色か焦げ茶色、歯は黄色っぽい。明るい色彩の衣服を好み、特に血赤色を好む。顔は濃赤色かオレンジ、体毛は濃赤褐色〜灰黒色。男は成人すると紅紫色の鼻になる。革は黒に塗られており、武器は常に磨かれ、よく手入れされている。寿命は60年前後(50+1d20歳)である。彼らはくぐもって話す。

[性格]
・彼らはゴブリン族の中では至高の存在であると自らを信じており、いつも劣等種族(ゴブリンやバグベアー)のリーダーとして振舞う。そしてそういった種族を単なる戦闘時の壁としか考えていない。・ホブゴブリンは極めてプライドが高く傲慢で、自分達が優れた種族であると考えている。彼らは美や芸術といったものに多大な関心を示す。ただしそれは、指や衣服に無数の宝石を取り付けたり、自分の銅像を造らせたりといった俗悪なものが含まれ、芸術でも一般の人間が理解できないような醜悪というか、グロテスクな物を好んだりもする。種々の拷問方法を考えたりするのは大得意である。総じてホブゴブリンは成金的で一流品志向、時には趣味が悪いとさえも言える。はたで聞いていると下らない自慢話(自分の地位や手柄、家族の自慢 etc..)も彼らの十八番であり、そういう話をする時は実に延々と何時間でも話し続ける。彼らはプライドの裏返しでお世辞に極めて弱く、また金品にも弱い。他者を卑しめる言動は彼らの特質である。[生活様式]・ホブゴブリンは一族で軍隊社会を形成している。彼らは権威主義的で、それぞれの部族は自分達の地位に関しては極めてうるさい。他の部族と遭遇した場合には口汚い罵り合いか、公然と戦いが行なわれる。彼らは極地を除くあらゆる地域に住んでいる。

・彼らの村は大抵、廃虚と化したヒュ−マノイドの居住地に造られ、そこには堀、塁壁(石の柵や土塁、丸太など)で囲いを作り、二つの門と3〜6の見張り台が設置されている。住居は木と石をミックスした物である。彼らは最初にあった物よりも良い建築をする。硬い石で建築物や小城を建造し、兵50人につき、2基の重カタパルトと2基の軽カタパルト、1基のバリスタを所有する。各部族は独自の軍旗を持ち、部隊を鼓舞するために戦場に持ち込まれる。族長が指揮している場合はその側らに、他の場合は副族長の誰かが軍旗を持っている。

[道具、技術、武器]
・ホブゴブリンは衣服、日用品、武器などを常に磨き、手入れをしている。彼らは主にスタッドレザー、チェインメイルを着用し、S〜Mサイズのシールドを持つ。彼らの好む武器はロングコンポジットボウ、モーニングスター、シミター、ホイップ、そして各種のポールアームである。・彼らは主に次のような一般技能(NWP)を有す。  アーマラー、ブラックスミス、ボウヤー/フレッチャー、リューイング、チャンティング、クローズクォーターファイティング、ダイレクションセンス、ファイアービルディング、ハンティング、インティミデーション、ルーティング、レリジョン、ウェポンスミス、ワイルドファイティング。

・彼らは雑食性で何でも食べる。が彼らは食物にはうるさく、芸術的で美味な食事を好む。子羊のステーキや上等のワイン、レバーペーストなど、高カロリーの食物を好む傾向があり、中年を過ぎると肥満体になりやすい。

◎PCホブゴブリン



・PCホブゴブリンには大きく分けて2つのパターンがある。1つは平和主義者で、戦いの日々を嫌い、部族を飛び出した者である。もちろん冒険者として必要が迫れば戦うだろうが、決して臆病なんかではなく出来るだけ戦いを避け、その状況から逃れられない場合のみ戦闘を行なう。・2つ目のパターンは、自分達の邪悪な社会を脱し、悪でない生活(信仰、神)を求める者である。こういった者は以前の生活を改心し、自分達が破壊したものを修復して歩く。もちろん、これら以外のPCホブゴブリンも存在するが、上記の2パターンが最も多いのである。・ホブゴブリンはCha.に−1のペナルティ。能力値は以下の通り。開始年齢は14+1d6歳

  Min. Max.
Str. 6 18
Int. 3 18
Wis. 3 18
Dex. 6 18
Con. 5 18
Cha. 3 16

・ホブゴブリンの基本ACは10、移動速度は9”、一般アラインメントはLEである。彼らは60’のインフラビジョンを有する。可能クラスとレベルは以下の通り。

                  最高レベル*
ファイター、グラディエーター     18
ハンター、アーチャー         11
パラディン                9
ホーリーオーダーオブザスターズ  9
シーフ、スカウト            12

*長所能力によるボーナスあり(14〜15なら+1レベル、16〜17なら+2レベル、18以上なら+3レベル)。



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